2024.3.15国民健康保険料、来年度から負担増
「国保財政調整基金が枯渇する見込み」が増額の理由
市議会定例会2月第2回会議初日の先月28日、白川博一市長は行政報告で「国保財政調整基金が今年度をもって枯渇する」と述べ、今後、保険料を増額する見込みがあることがわかった。来年度の予算編成から基金による財源確保に無理が生じてきたことが理由だ。このことから、来年度以降の保険料が改定され、市民は経済的な負担が増すことになりそうだ。
行政報告では「国民健康保険は、少子高齢化、団塊世代の後期高齢者医療への移行、社会保険の適用拡大などに伴う被保険者数の減少による保険税収入の減少などがある」とし、厳しい状況が続く国保の状況を説明した。
その上で「これまで決算補填の財源としていた国保財政調整基金が、今年度をもって枯渇する見込みであることから、来年度保険税率の改定について、被保険者(市民)が負担しなければならない状況となっている」とし、保険料増額の予定があることを述べた。
増額を見越した改定の時期は、「昨年分所得税確定申告と来年度国民健康保険税申告が終了し、所得が確定した後に税率改定を行う予定」だという。
同月27日、市は今年度第2回市国民健康保険運営協議会を開き、基金に関する説明をしている。決算収支について資料には「今年度においても基金の取り崩しを予定しており、今年度末の基金残高は1272万4千円となる見込み」としている。
基金保有額の推移では、令和元年度1億7570万5千円、2年度1億3070万5千円、3年度8572万円、4年度5572万4千円と年々、基金の取り崩しにより残高が減少していることがわかった。今年度は3月の確定申告終了後に確定のため、見込み額として1272万4千円の記載がある。わずか5年間で約1億6千万円もの基金額が減少していた。
今年度以降、基金の枯渇が予測されるため、市は「来年度当初予算では基金の取り崩しは行わず、歳入不足分の財源を保険税とし、税率改定を予定」とし、保険料増額の改正案を示している。