2021.6.01勝本港黒瀬地区の埋め立て事業進む
勝本港の漁業の安全や地域商業の活性化、多目的広場の活用などによる観光の誘客などを目的として推進されてきた勝本港黒瀬地区の埋め立て工事が進められている。現在は着工前の測量を終え、基礎地盤の改良や海中調査など本工事に向けた準備段階に入った。埋め立て整備工事は8月末に完了、埋め立て工事完了は令和7年度ごろを予定している。
勝本港黒瀬地区の埋め立て工事に向け、24日ごろから同湾の水中調査や作業船を停めるアンカーの確認などが進められている。すでに4月末までに測量を終え、今月末には埋め立て場所の一部に、海中での基礎地盤の改良を目的とした砂の投入なども予定される。
同港の埋め立て事業は着々と進められている。昨年9月29日の市議会9月会議で、市は勝本町勝本浦黒瀬を「勝本港のふ頭用地」と「多目的広場用地」として使用するために埋め立てを行いたいとして、県知事への答申に伴う要望書に埋め立て案を盛り込むなどの議案を上程し、賛成多数で可決した。
勝本港黒瀬地区の埋め立て事業は、令和元年度に国の新規事業採択を受け、県により係留施設の調査・設計が進められた。背後の埋め立て地は、市が実施する計画になり、島北部の観光拠点としての整備や周辺の商店街、朝市、史跡等を活かし地域活性化を図る。埋め立て地の活用は、地元関係者等で構成される勝本浦部活性化推進協議会で検討されている。同案は昨年6月、白川博一市長の所信表明でも述べられた。
かつての勝本港は、対馬と航路を繋ぐ対州丸の寄港地として栄えていた。また、湾岸沿いを通る道路は夏場には道路まで潮位が上がり、車の通行に支障が起きることが度々あった。地域住民は「道路の狭さや異常潮位による通行の安全が保たれる。朝市や観光船の船着場も近くなり、かつてのように勢いのある勝本港になるのでは」と期待を寄せた。