2023.5.23初夏の風物詩が今年も。ホタルの光舞う
島内各所の河川や田園でホタル乱舞始まる。今年も順調に飛び交う姿に期待
島内各所の河川や田園でホタルが見ごろを迎えそうだ。市内各地のホタル観賞ポイントではゲンジボタルがゆっくりと光を放ちながら乱舞している。今年はゴールデンウィーク後半が悪天候に見舞われ、例年に比べ上旬まで夕方以降の気温は低めだったが、8日以降からは気温も上昇し、ホタルが飛び交い始めた。例年通りなら下旬にかけてピークを迎える。市内には約20か所の観賞ポイントがある。全国的にみても本市のホタル群生数と群生か所は多い。
「ほーほー ほたるこい♪」と童歌(わらべうた)でも歌われ、初夏の風物詩として古くから親しまれているホタル観賞は、季節の楽しみのひとつ。歌の中にある「こっちの水は甘いぞ」は、現代風に言えば農薬や洗剤に汚染されていないきれいな水との意味があり、砂糖水のように甘味がついた水を好むわけではないそうだ。
日本で「ホタル」といえばゲンジボタルやヘイケボタルが一般的で、この時期、島内で見られるのはゲンジボタル。島内各所の水辺で今年もホタルが舞うシーズンがやってきた。静かに点滅する淡い光が飛び交い、夜を幻想的に彩っている。
当紙には、すでに10日ごろから市内での目撃情報が届きはじめた。ホタルがよく飛ぶ時間帯は午後7時45分ごろから8時30分くらいにかけての1時間ほどが最も適した時間帯。雨上がりの翌日など気温が20度を超える蒸し暑い時ほど活発に飛ぶとされる。ピークは5月下旬ごろまで。
10日時点で見ごろを迎えているのは、郷ノ浦町の清水橋周辺。ゲンジボタル十数匹が飛んでいたという情報がある。来週から下旬にかけて島内各所の鑑賞ポイントで幻想的な乱舞が見られそうだ。
主な観賞場所は、「郷ノ浦から石田線の清水橋上流付近」で、川沿いの300㍍ほどに渡って生息。「勝本町新城橋付近」は、橋の上流下流ともに生息し、橋の上から観賞できる。「綿打橋から前田橋付近への下流」にかけては、交通量の多い道路に面しておらず、ヘッドライトなどの光源の影響は受けにくいが、車一台分のみ通れる農道なので、通行に注意。他にも初山方面の六人地蔵付近の柴山橋、梅の木ダムや男女岳ダム下流付近、安国寺付近などで飛翔情報が寄せられている。
小さな田園が広がる清水橋上流では、日が沈み夜のとばりが下り始めると、川のほとり沿いに無数の光が顔をのぞかせ一帯に黄緑色の光跡を描いた。清水橋では、観賞に訪れた家族連れが道路脇に車を停めて川岸を歩き、この時期だけの風物詩を静かに眺めた。