2020.1.21今年度から財源不足が深刻

今年度公表の市中期財政計画も財源不足が顕著

 

 市は昨年12月末、今年度から令和5年度までの「市中期財政計画」を市ホームページに公開した。資料には今後の財政予測として「多額の財源不足となる見込みで、行財政改革は喫緊の課題となっている」と、厳しい見通しを示している。昨年公開した財政計画でも平成30年度から7年後までの見通しでは財源不足が顕著に現れ、平成29年度までは黒字だった財政収支は、平成30年度以降から財源不足が続いていくようだ。市は、公債費負担の軽減や各経費の圧縮などで財源不足額の減少を図るようにするが、財政改善につながっていくかは今後の運営次第と言える。

 

財源不足の見込み、行財政改革は喫緊

 将来に向けた市の財政状況を示す「市中期財政計画」が昨年12月末に市ホームページ上に公表された。財政計画は毎年11月から12月末頃に発表され、財政の現状の把握と中期的な財政収支を見通すことにより、財政の健全性の確保と今後の財政運営や予算編成の指針とするためのものになる。

 市の財政状況は、公債費比率や将来負担比率などの財政健全化指標は改善されたとするが、一方で、これまで整備してきた施設やインフラに対する維持補修と更新費用の増大などから「決して楽観視できない財政状況となる見込み」としている。また、「地方税等の自主財源の確保が難しい中、地方交付税や臨時財政対策債などへの依存度が高い財政運営が続いている」とする。

 地方交付税では、市政合併に伴う特例措置の合併算定替の段階的縮減が終わり、本年度からは一本算定となる。交付税の縮減額は平成25年度と比較して約14億円の縮減となり、経常一般財源である地方交付税が減少することから「実質公債費比率や経常収支比率の悪化が予想される」と厳しい見通しだ。

 また、「これまで実施してきた大型事業に係る起債の償還が本格化してくることで、多額の財源不足となる見込みとなり、行財政改革は喫緊の課題となっている」と、苦しい財政状況を説明している。

 財源不足の理由として、▽庁舎耐震改修工事や幼保連携型認定こども園整備事業等の着手や財源の多くを市債発行に頼ること▽クリーンセンターや汚泥再生処理センター、ケーブルテレビなどの維持管理経費が増大すること▽これまで実施してきた大型事業の起債の償還が本格化することなどが挙げられる。また、財源不足額には、「財政調整基金や減債基金の取り崩しで解消する」と説明をしている。しかし、財源不足額に両基金を充てることで、残高は減少していくことになる。(続きは本紙にて)