2020.10.15人に優しい社会を作っていく
特別養護老人ホーム「壱岐のこころ」が1日、開所から5周年を迎え同日には在宅支援の相談ができる新施設として「ケアプランセンターこころ」が開設された。高齢化社会に向かっている現在、老人福祉介護の充実と支援は重要であり、来たるべき超高齢化社会への準備としても必要不可欠だ。
総務省国勢調査及び国立社会保障・人口問題研究所将来推計人口、総務省住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数を基に作成されたデータでは、2020年時点での本市の総人口に占める65歳以上の人口割合高齢化率で、38・4㌫(65歳以上の人口約9546人)となっている。全国平均の高齢化率は28・9㌫と、全国平均から約10㌫高い。ちなみに2000年の時点では本市27・1㌫(同9078人)、全国平均17・4㌫。2010年では本市31・8㌫(同9342人)、全国平均23㌫と年々割合は増加している。
今後の予想を見てみると、2025年で本市40・6㌫(同9203人)、全国平均30㌫。2030年で本市41・9㌫(同8592人)、全国平均31・2㌫。2045年には、本市45・7㌫(同6688人)、全国平均36・8㌫とあり、本市の場合は今から約15年後には総人口の4割以上が65歳以上になる。将来の予想で、年々高齢者率は上がっているが、高齢者人口が減っているのは、人口減少の理由によるもの。
高齢化社会の定義は、人口に占める65歳以上の高齢者割合が7㌫を超える状態をいう。国税調査によれば、1970年の国内総人口約1億370万人に対し、65歳以上の人口は約730万人で、割合は7・04㌫と早くも高齢化社会に入り始めていた。2007年頃になれば高齢化率が21㌫を上回り超高齢化社会となった。高齢化率の割合が高い理由のひとつに、子供が減り続ける少子化もあるようだ。総人口の約半数が65歳以上になれば、言葉の定義はないが「超々高齢化社会」と言えよう。
先に挙げたが、高齢化率の割合は増えていくが、人口は年々減少していく。同データでは、2030年頃には人口2万503人とされ、2045年には1万4622人と予測されている。もちろん、今後の施策や対策でこの予測数値は大きく変わる可能性があるが、さらなる高齢化社会に向かっていく予測は確実となりそうだ。
病院も足腰が悪い高齢者のために、より利便性が高い駐車場の確保など必要だ。待ち時間の長さも、高齢者の負担になる。身近なところからの努力と改善を考えねばならない。
「超々高齢化社会」が目前にある今、まちづくり協議会や公民館などで、地域の助け合いや官民協働を進めながら、高齢者が安心できる生活や支援制度の準備と構築は必要となる。人はいずれ必ず年を取る。人ごとではなく将来の自分のことと考え、人に優しい社会を作ろう。(大野英治)