2021.9.07コロナ禍支援策に期待する
2回目の市議会8月会議が開会した。市は、県からの補助金による「飲食店等の営業時間短縮協力金」の支給を上程し、市議会は全会一致で可決。この協力金支給は県内の市町で同時に行われるものになる。
同議会では、開会数日前に撤回された議案がもうひとつあった。「ながさきコロナ対策飲食店認証実行委員会による認証を受けた飲食店に対し、市単独事業として1店舗あたり感染防止対策継続支援金10万円を交付」というもの。これが可決すれば、飲食店は二重の支援になる可能性があった。しかし、県から「幅広い職種への支援」を検討する考えが示され撤回に至った。
コロナ禍による経済影響は、本市の場合、飲食店と観光業関連が真っ先に挙がる。このことに間違いはないのだが、影響は飲食店だけではない。経済は連携の上で成り立つことから、他業種への影響も大きい。山口欽秀議員は上程された議案について、より多くの業種への支援を訴えた。「当初の議案から差し替えられた感染防止対策継続支援金10万円と、営業時間短縮協力金の支給があるが、市は認識の上で上程したのか」と問うた。企画振興部長は「支給が重なることは想定していた」と答えた。
山口議員は「それが問題だ。経営的に困っているのはどの業種なのか把握していない。県がお金を出すから振り分けをしたなどの発想では、コロナ禍で本当に困っている市民に寄り添う形にはならない」と指摘した。「困っている関連事業は他にもある。土産店などは市から支援がないと嘆いている。市長は『幅広い支援をする』と言った。ならば、実状を把握しなければならない。次の予算では関連業者への支援を考え上程してもらいたい」と要求した。
白川市長は「議員が言うように経済支援は大事だ。しかし、市と県が折半で支援を検討するとなれば、財源を留保せねばならない。このことから、感染防止対策補助10万円は撤回した。飲食店だけに目を向けた支援ではない。幅広い支援は認識している」と述べた。
この議論から議員も市長も多業種への支援は考えにあるようだ。本来であれば、このような時こそ「財政調整基金」からの発動もひとつの方法だったはずだが。財源状況と政治判断のバランスから発せられる今後の支援策に期待したい。