2021.9.14監査委員「決算は全体的に黒字」(市議会9月会議)

令和2年度の市一般会計と特別会計の決算、財産の状況や基金運用を審査

 令和2年度の市一般会計と特別会計の決算、財産の状況や基金運用などについての決算書類の審査を、市監査委員は市議会9月会議の決算特別委員会に報告した。一般会計と特別会計を合わせた決算総額は、歳入が351億4951万3千円、歳出が343億2975万7千円、歳入歳出差し引き額は8億1975万6千円。監査委員は「全体的に黒字だった」と総括した。

 

 監査委員の審査意見は「各会計歳入歳出決算書、歳入歳出決算事項別明細書、実質収支に関する調書、財産に関する調書及び特定目的定額運用基金の運用状況は、法令等に定められた内容に準拠し、決算数値に基づき作成され、適正に表示していると認められる」とした。

 改善事項では「未収債権で、災害援護資金貸付金、高等学校奨学資金貸付金(1件13万2千円の不納欠損処理)は長期延滞となっている。

 財政面は、厳しい社会経済情勢により市税等の自主財源の伸び悩み、地方交付税の減少等で財源の確保が困難な状況。歳計剰余金の処分でも、財政調整基金、減債基金への積立てができない状況である。一方、財源を確保するため、市債への依存が高まりつつある。財政基盤の整備のためには、施設の統廃合等を進め、維持管理費用の低減を行い、能率的で効率的な事業運営ができる体制を作りあげることが求められる」と付け加えた。

 本市の財政力指数は0・222で、類似団体は0・40であり、数値は高いほど財政力が強いとされるため「市税等の徴収率の向上を図り、財政の健全化に努める必要がある」とした。経常収支比率は90・6㌫で、指標は75㌫程度に収まることが好ましいとされるため「改善に努める必要がある」と意見した。

 一般会計での財政状況は、予算現額293億9051万7千円に対し、歳入が269億5340万円、歳出が262億8491万8千円、歳入歳出差し引き額は6億6848万2千円。翌年度に繰り越す財源額2億2319万円を控除した実質収支額は4億4529万2千円で、監査委員は「黒字である」と審査した。

 歳入は前年度に比べ4億7837万6485円の増収だった。歳出は、前年度に比べ5億6844万7457円増だった。

 主な支出で総務管理費の一般管理費では、まちづくり協議会交付金1809万6902円、本庁舎建設基金積立金5002万85円。企画費の自治体SDGsモデル事業のソフト分委託料3905万円、新型コロナウイルス感染症対応事業費で36億3152万6768円など。商工費でイルカパーク管理委託料1980万円、壱岐島リブートプロジェクト事業委託料5537万8200円など。