2021.9.28「いじめ、差別、パワハラ」が垣間見える

 組織改革を求めて声を上げた一部教員たちの怒りはどうなるのか。当紙8月6日号で掲載した教育長と教員との確執は、想像を超える。以降、教員による投書は後を経たない。前々号で記したが、問題の本質は学習法の行き違いだけではなく、教育長によるパワーハラスメント(職場内虐待)も含む可能性は高い。

 厚生労働省の定義で「パワハラ」とは「組織などでの地位や人間関係などの優位性を利用して、他者に嫌がらせをしたり、苦痛を与えたりすること」とある。昨年6月にパワハラ防止法(労働施策総合推進法)が制定、雇用管理上の措置が義務付けられた。

 教育組織でパワハラ行為があるとは思いたくないが、過去の事例で思い当たる節があった。市教委による当紙への行為がそう思わせる。

 小中学校数校で、平成29年3月に突如、当紙の定期購読の解約が相次ぐ事態が起きた。その後、市教委が管理する施設関連も解約となった。当時、小中学校の校長数人から「上から購読しないようにと言われた。申し訳ない。代わりに自腹で購読をさせていただきたい」と連絡を受けた。強制解約の理由は知らされていないという。しかし、平成29年以前に取り上げた記事から考えると理由は察しがつく。状況判断で誰でも分かることだ。

 平成28年4月から数か月にわたり、芦辺中校舎建設で当時建設予定地の芦辺町ふれあい広場の土地が土砂災害の危険があることを掲載した。市教委は保護者への説明会を開くなどで理解を求めたが多くの市民の反発を買い、旧那賀中に変更せざるを得ない結果となった。

 同年6月には芦辺小校舎改築工事の入札に疑念があることを掲載し、度重なる入札不適正で同年9月に教育長と市教委職員に懲戒処分が下った。これら事案の記事が関係しているのであろう。

 市教委と教育長の行為は、組織ぐるみで当社への「いじめ」と「差別」だ。新聞は購読者がいて初めて成り立つもの。強制解約は、会社の生命線を切る行為であり、「いじめ」に他ならない。他紙の購読は継続し、納得のいく理由もなく当紙だけ外す行為は「差別」の言葉以外に何があろうか。「いじめ」「差別」は加害者にその認識がないから、たちが悪い。

 当紙が受けたこれらの事実から考え、現在、教育現場で問題となっているパワハラ行為はあり得ないことではない。そう考えるに十分な根拠となる。現在も、市内全小中学校と市教委管轄施設からの購読契約は一切ないままだ。

 強制解約については、子ども達へ平和の尊さを教える「平和教育」の講演を続けている市民も、市教委と教育長の当紙への行為を知り「教育長が真に反省と謝罪をするまで、小中学校での講演は一切行わない」としている。影響は広がった。

 教育組織には「いじめ」「差別」「パワハラ」が垣間見える。学校の道徳で「いじめや差別はいけません。人を痛めつけてはいけません」と教えているはずではないか。トップがこのような状況で、教育組織は本当に大丈夫なのか。

※本文中にある他紙とは、島内発行の新聞のことではありません。