2020.3.115頭中3頭のイルカが死ぬ異常事態

 またしても、イルカパークでイルカが死ぬ事態が起きてしまった。昨年4月末から現在までわずか10か月の間に、5頭中3頭が死ぬ事態は異常としか言いようがない。記憶が正しければ、リニューアルオープン以前は、これほど立て続けに死ぬことはなかった。

 なぜ、わずか10か月でこれほどまでに死んでしまうのか。原因究明やきちんとした調査はされているのか。同園はイルカの高齢化と説明はするが、過去2例の死因は疑問は残る。明確な公表もされず、実態は関係者以外知る由もないといったところか。そもそも同園は、市や市民が大切に維持してきた施設財産ではないのか。

 昨年のリニューアル直前から、同園と周辺では不穏な動きが見えていた。昨年4月、同園に隣接する敷地で、大量の産廃土が露出していたことが、土地所有者への取材でわかった。旧勝本町時代の平成元年頃に、総事業費約5億2000万円をかけて公園化整備をし、大量の土砂で埋め立てが進められた。この時に使われた土砂にプラスチック系のゴミや農薬の瓶、車輌用のバッテリーが混ざり、それが近年になり露出した。市は、水質調査を行った上で異常はないとしているが、イルカの育成との関連性は本当に皆無なのか。

 1頭目のイルカが死んだ時、本紙は昨年5月10日号で「リニューアルには多くの市の予算が投入されている。イルカ購入にも予算がつぎ込まれている。イルカが弱ったから、死んだからといって、そう簡単に新たに購入するわけにはいかない。市の予算は我々の税金だ。きっちりと原因究明と対処を示していかねばならない」と記した。

 2頭目のイルカの死では、今年1月17日号で「同園の場合は5頭中2頭で40㌫の死亡率になる。これは異常な数値ではないか。明確な原因が不明のまま、新たなイルカを迎え入れるのか。死因不明のままで同様の事案が起きた場合どうするのか」と記した。そしてその記事からわずか2か月ほどで今回の事態だ。

 市民は「明らかに異常事態だ。原因を明確にしなければ今後も繰り返すのではないか」と憤る。重ねて言うが、同園の整備や運営、イルカ購入にも多額の税金が使われるのだ。もはや市議会の場、あるいは住民説明会を開き、管理責任の是非を問わねばならないのではないか。

 市民の情報で、同園指定管理者は昨年11月に発覚した「黒崎砲台跡内のたき火事案」に関係していると聞く。また、新型コロナウイルス感染拡大危機の最中、休校中の島外の子ども達を本市に呼び込む体験型観光を企画。市は「自粛すべき」と要請し中止となったが。このような行動は管理者として適切なのか。

 市議会3月会議が始まる。市の施設財産が崩壊せぬよう、しっかりとしたチェックをお願いしたい。(大野英治)