2021.8.31補助金170件の適正などを審査

委員会は補助金拡充0件、継続77件、縮減75件、廃止18件を提言

 市地域協議会委員や行政経験者、銀行員などで組織する市補助金等検討委員会(長岡信一会長)は18日、委員会で検討しまとめた提言書を郷ノ浦庁舎で白川博一市長に手渡した。令和3年度当初予算編成で市の財源不足が生じ、財政調整基金などの取り崩しで乗り切った。このことから、市は今年度から行財政改革に取り組む決意を示し、同委員会に補助金の検討を依頼、受けた委員会は来年度当初予算案として、「拡充0件、継続77件、縮減75件、廃止18件」の補助金の見直しを白川博一市長に提言した。同委員会は、提言書を尊重し適正な見直しを行うよう要望している。

 

 同委員会は、市の財政状況を踏まえた補助金の見直しを提言するため、4月30日に発足し協議を始めた。これまでに3回の検討委員会を開き、提言書の内容をまとめた。補助金などの審査は170件に及び、審査結果を4つに区分している。結果は令和4年度当初予算から反映するよう提言している。

 補助金のあり方を検討する審議では、公益性として「不特定多数の市民の利益、市の施策の推進、市民の社会保障につながること」を挙げた。必要性では「社会経済情勢や市民のニーズ、事業・団体の状況」などを検証し判断している。さらに、「補助金交付により効果が高いものは充実・強化すべき。必要なものには交付の終期を設定することが望ましい」などの基準を定めた。

 今後の補助金のあり方は次のようにまとめた。「類似の目的で活動する団体が複数ある。重複により無駄が懸念されるため、対象団体と協議して統合に努めること」「飲食費や視察研修旅費の中で、私的性格が強いものや慶弔費、一般管理費的な経費は補助対象から除外すべき」「補助金を使い切り消化する意識ではコスト削減はできない。多額の繰越金の事例もある。補助金額の適正化を図るべき」「補助金の算定根拠が明確ではないものが多々ある」「状況の変化で、当初の交付目的があいまいになったり、特定団体の既得権化につながる危険性がある。このことから交付期間の上限や終期の設定を」「公益性のチェックが必要。3年ほどをめどとして事業成果の検証を行うこと。国や県の補助金財源措置が終了した後も、交付が継続することがないよう見直す」などを提言した。

 区分別の審査結果は次の通り(審査結果表は本紙に掲載)。

A(拡充)充実強化して交付(0件)

B・B‘(継続)今後も継続して交付(77件)

C・C‘(縮減)縮減して交付(75件)

D・D‘(廃止)令和4年度から廃止(18件)