2021.8.11第5回市議会議員選挙開票結果。新人が躍進、投票率はまた低下

16人の市議決まる。投票率は75・41㌫、前回比1・81㌫減

 任期満了に伴う第5回壱岐市議会議員選挙が25日に告示され、1日投・開票の結果、市議16人が決まった。今回は現職14人、新人7人の戦いとなり、新人4人が当選し3人落選、現職は12人当選し2人落選。任期は8月7日から令和7年8月6日までの4年間。当日の有権者数は男1万181人、女1万1351人の合計2万1532人で、投票率は男75・22㌫、女75・59㌫、計75・41㌫(前回比1・81㌫減)と、前回市議選を下回った=市選管調べ=。

 

 1日午後9時40分過ぎ、ほぼ開票終了予定時刻に選挙結果が確定した。有効投票数は1万6128。無効投票数は109。

 過去の市議選や市長選などから投票率の低下が懸念された今回の市議選は、前回(平成29年)の投票率をさらに下回る結果となった。昨年末から現在にかけて、新型コロナ感染防止の対応や市の財政に関する問題が浮上し、市民の市政への関心が高まっていた。しかし、告示日前後に市内で新たに確認された新型コロナ感染の影響が投票率に影響したものと思われる。

 前回は、有権者数は男1万690人、女1万2058人の合計2万2748人で、投票率は男77・02㌫、女77・41㌫、計77・22㌫となり、過去最低の市議選投票率となっていた。ちなみに、平成25年では、有権者数は男1万1090人、女1万2544人の合計2万3634人で、投票率は男82・07㌫、女82・39㌫、計82・24㌫だったことから、投票率は回を追うごとに低下し続けている。

 

森氏、市議選過去最多の得票数を獲得

 無所属新人の森俊介氏(37)は、1737票を獲得する健闘をみせた。他当選者は軒並み900から600票台に集中していたことから、森氏の独走が目立つ結果となった。

 森氏は昨年4月の市長選に出馬し、僅差で敗北した。市内で新型コロナ感染者が確認され、思うような選挙活動ができないなどが敗因で、涙を飲んだ。このことで市議選への出馬の意向を明らかにした段階から、注目を集めた候補者のひとりだった。森氏の得票数は、過去の市議選を含めて最多を記録した。

 森氏は「これだけ多くの票をいただいて、期待を裏切らないようにがんばっていきたい。票の重みを強く感じる。市長選から多くの人の支持を受け、今回も多くの応援をいただいた。選挙を終え、支援をいただいた人達の期待に応えられてまずはほっとした」と喜びを語った。さらに、「今後の市長選へ前向きな考えはある。しかし、まずは議会改革に挑みたい」と述べた。

 

新たな16人の市議に当選証書を授与

 投開票翌日の2日、壱岐の島ホール中ホールで当選証書授与式が開かれ、当選した16人の市議に市選挙管理委員会の西雪晴委員長から当選証書が手渡された。

 西委員長は「市民の信託を受け、これからの本市発展のため、市民の期待を一心に受けた議員の役割は、行政のチェック機能だけではなく、市の振興発展を目指す将来を見据えた大きな活動を担う。市民に与える影響は極めて大きい」と激励した。

 市議会2期ぶりの女性議員復活を果たした武原由里子氏(57)は、「表に現れない女性の声を受けて、それが票につながったと実感している。子育てや教育、社会的弱者と言われる人たちのために、女性の視点で市政に切り込んでいきたい」と意気込みを語った。

 

選挙後、市民の声

 開票結果を見た市民は、「コロナ禍での会食やリコール運動など、市政でのごたごたが集中して起きた。その後の追及にゆるさがある市議会を見て、市の将来を決める選挙に興味がないわけがない。一票の価値と重さを、当落選の全候補者も肝に銘じてもらいたい」「選挙の時だけ『皆様の声援に勇気をいただいた』『ぜひ私に力をお与えください』などと言うが、当選後にそのような態度や言葉を聞いたことがない」など、厳しい意見があった。

 一方で、「今度こそ、市民目線の市議会になってもらいたい。コロナ禍で経済的に厳しい状況にある市民に寄り添う市政に」「市民の声を市政に届けてもらえる議員の働きに期待したい」「まともな議論が展開される市議会になりそうだ」など、新たに始まる議会への期待感も大きいようだ。