2023.12.26特別職等の給与報酬増を審議
常任委員会は賛成多数で可決、22日の本会議で最終採決
市議会12月会議で上程の議案を審議するため18日、総務文教厚生常任委員会(植村圭司委員長)を開いた。市長ら3役と市職員、市議の月給とボーナスについて民間企業の水準に合わせようと、国の方針としての人事院勧告に基づくベースアップ案を審議した。市は、勧告に沿う形で引き上げを提案し、山口欽秀委員は「これでは物価高騰に苦しむ市民の理解は得られない。勧告に沿わずとも、市独自の判断ができるはずだ」と反対の意を示した。同委員会は賛成多数で可決した。
市は「国が方針を示す人事院勧告に基づき、全国的な給与報酬の引き上げがある。県下も同様で、本市も他市の状況を踏まえた上で国の方針に沿うようにしている」と説明した。
市の説明によると、今回の人事院勧告では民間企業の水準にあわせ行政職の月給について1万1000円、ボーナスが年間平均で0・1か月分引き上げ、年間で4・5か月分引き上げとなっている。市議会議員の給与は、議長が年額4万3700円、副議長が年額3万7950円、各委員長が1人あたり年額3万6225円、議員が1人あたり年額3万4500円、総額53万5325円の増額となる。
委員長を除く同常任委員会の採決では、各給与報酬増に賛成4(市山繁、清水修、山川忠久、樋口伊久麿委員)、反対3(山口、武原由里子、森俊介委員)。委員会判断は各給与報酬増に賛成で可決した。
各給与報酬増についての質疑応答で山口委員は「必ずしも勧告に従う必要はない。市民生活は物価高騰で節約を強いられている。市民の理解を得られるはずはない。執行部はなぜ給与報酬増を上程したのか」と意見を述べた。総務課長は「今回に限らずこれまでも国や他市の状況を踏まえて提出してきた」と答えた。
山口委員は「全国一斉に上がるから横並びというのではなく、市の独自性を持って判断すべき」とし、自身で調べた県内他市の状況について「東彼杵町は議員のみの増額だった。南島原市は議員報酬増の提出はしていない」と一例を示した。総務課長は「県下全域は勧告に沿っているはず。少なくとも本市の実情に沿っている。勧告を基準にせねば、今後どのような基準で見直すのか」と反論した。
採決で山口委員は反対討論に立ち、質疑と同様に「各給与報酬増は勧告に従うことはない。市民の理解は得られず、市政の信頼を失いかねない」と再び訴えた。他委員からの賛成討論はなかった。
同委員会の判断を経て本会議の22日、全議員がそろう中で最終的な採決を行う。
※22日の採決は、賛成多数で可決しました。