2021.1.19新型コロナ、市内で感染が相次ぐ

年末に飲酒を伴う市職員の会食でクラスターが発生

 

 先月28日に本市8例目の新型コロナウイルス感染者の確認以降、相次ぐ感染者の発表に市内では衝撃が走っている。1日までに21人もの感染者確認が続いた。先月下旬に市職員ら22人が飲酒を伴う会食を開き、うち6人が感染したことから、県は2日、クラスター(感染者集団)が発生したと認定した。市長から市民へ感染拡大防止の注意を促しながら、守らなかった市職員の安易な行動に市民から批判の声が上がっている。本市では昨年3月14日に1例目の感染者が確認され、4月上旬に続けて6例の感染者が出ていた。8月26日の7例目から、今回は4か月ぶりの感染者確認となる。

 

 集団宴会に端を発する感染拡大は、先月28日から31日までの4日間で17人が確認され、うち12人は市職員やその家族だった。市は、「市民福祉課」と「こども家庭課」による飲酒を伴う先月下旬の会食に職員22人が参加した事実を認め、県は会食した店でクラスターが発生したと認定。その後、濃厚接触者の企画振興部職員2人の感染もわかった。

 県は1日、壱岐医療圏の病床確保の目安となる「フェーズ」を「2」から5段階のうち最も高い「4」に引き上げ、感染者の治療にあたる壱岐病院は、病床を20床に拡充した。相次ぐ感染拡大から、同病院では4日から15日までの間、一般外来と健康診断業務の休止を決めた。この事態に市民は、「通常通りの医療が受けられない。医療崩壊は起きないのか」と不安を語った。

 増え続ける感染者について白川博一市長は先月31日、防災無線や市ケーブルテレビで「市役所職員の感染に大きな衝撃を受けた。心よりおわび申し上げる」と陳謝した。また、例年元日に行う新年のあいさつは中止とした。しかし、市長の言葉を受けても市民の不安は払拭されなかった。市民は「市が公表する情報量が少なすぎる。感染の防ぎようがない」と憤った。

 新年を迎え、8日まで連日最大9人に及ぶ感染者が発表される日もあり、増加は止まらなかった。年末の市職員らクラスターからの感染拡大は2日以降、その家族や濃厚接触者のほか、中には感染経路非公表など、街中で感染が広がる「市中感染」の疑いへ広がりを見せ始めた。(続きは本紙にて)