2020.5.19市長ら三役の給与20㌫減額は否決
市議会の判断は給与減額に賛成4人、反対11人
コロナ禍で市内事業者の経営や市民生活の困窮が続く中、白川博一市長は、自らを含む三役の給与の5か月分20㌫減給を市議会に上程した。白川市長は「市民の一人として問題意識を共有したい。減額分は小中学生の布製マスク配布などの予算に使いたい」と考えを示したが、議員からは「減給よりも経済を回すため、給与分を市内での飲食や宿泊などで使うべき。減給の理由がわからない」として上程案を否定した。市議会の採決は給与減額に賛成4人、反対11人と大きく反対数が上回り否決した。
2回目の市議会定例会4月会議が先月30日に開かれ、新型コロナウイルス感染拡大による緊急経済対策事業などの支援策施行に伴い、市長ら三役の給与を5月から6月までの期間20㌫減額する上程議案を、議会は賛成4人反対11人(議長を除く)で否決とした。
白川市長は、給与減額の理由として「コロナ禍に対しての市内経済活性化財源の一部と考えている。減給とはいえわずかな金額だ。しかし、少しでも市民生活の向上に寄与できれば」と考えを述べた。一方で反対の意を示す議員からは「給与減額ではなく、全市民に使ってもらえる商品券など経済が回る方向で施策を考えるべき。減給案は経済への逆効果だ」と意見を示した。また、「五島市が議員報酬と市長ら三役の減給を発したが、その流れを受けての判断か。本市独自の経済対策を示すべき」など、厳しい意見が交わされた。
県内の五島市の例では、新型コロナウイルスの影響を受けた市民生活や市内経済の支援策に充てるため、先月30日の市議会で議員報酬を5㌫削減することを決めた。また、野口市太郎市長も自らと副市長、教育長の三役の給与を20㌫減額とした。他にも、新上五島町や川棚町も三役の給与減額の動きを見せている。地元の報道によると「苦境の市民生活に寄り添うため」との理由からだ。
五島市の施策について町田正一議員は「五島市は今年8月に市長選挙がある。選挙に向けたパフォーマンスとしか思えない。減給より市民生活を守る決意と施策の方が重要」と考えを述べた。
白川市長は「このままでは市の経済が破綻する危機がある。現施策と今回上程の施策は別のもの。強い思いがある」と理解を求めたが、市議会の判断は、市長ら三役の減給について経済対策効果は薄いとして納得しなかった。