2022.6.29認定こども園、賛成多数で建設の方向

「県が許認可、整備は事業者側」と説明

 

 市議会定例会6月会議の21日、6月補正予算を審議する予算特別委員会(音嶋正吾委員長)を開いた。審議は、予算に上程されている郷ノ浦町柳田地区に建設予定の認定こども園について集中し、採決は賛成12、反対3(議長を除く)で可決した。

 市は「多様化する子育て世代のニーズに対して、保育サービスの選択肢の幅が広がるとともに、待機児童の解消に期待できる」と建設計画に理解を求めた。一方で、建設計画に反対の意見は「建設を計画する事業者から保護者や現在の保育園に対しての説明が足りない。なぜ公募をせずに島外事業者に決まったのか」「土砂災害の危険がある地域であり、対応策が示されない」などの意見が上がった。

 土砂災害の危険について、市こども家庭課は「万が一の安全のため、事業者側が安全対策をする。しかし、予定地は土砂災害特別警戒区域内ではないので、本来であれば安全策を講じる場所ではない」と説明した。山口議員は「大雨の場合、予定地上部から大量の雨水が流れ込む。危険ではないのか」と問い、市こども家庭課は「それも想定した対策になる」と答えた。さらに「許認可は県であり、対策は事業者側、市ではない。ただし、保護者説明会で安全性を伝える」とした。

 植村議員は「同計画に関する答申は2014年で年月が経つ。当初は幼稚園型認定こども園の計画が、今回では保育園型になっている。方針を新たに考え直すか、再確認の必要がある」と意見したが、市こども家庭課は「現時点での見直しはない」と答えた。

 武原議員は「なぜ、雲仙市小浜町の社会福祉法人北串会が本市に参入してきたのか。事前協議はいつからあったのか」と問い、市こども家庭課は「一支国博物館の建設事業者と北串会が知り合いだった。壱岐に強い関心を持ったと聞いている」と答え、事前協議は「県の許認可であり、市では協議はしていない」とした。さらに武原議員は「なぜ一般への公募をしなかったのか」と問い、市こども家庭課は「県の許認可であり、民間の参入を行政が止めることはできない」とした。

 各議員の質疑の後、白川市長は「同計画は、2014年の市子ども・子育て会議の答申に基づき、市の第3次総合計画にもある。芦辺中建設と比較する話があるが、主導が行政か民間の違いがあり、同列にすべきではない。予定地は土砂災害特別警戒区域とは一定の距離がある。許認可の際に十分な検証もされる。同計画は市にとって明るい話題だ」と説明した。