2019.11.12磯焼け対策など漁業者へ支援を要望
中村法道県知事に対して要望書を提出、空港整備関連は費用に難色
白川博一市長と豊坂敏文市議会議長、山本啓介県議会議員は先月31日、長崎市の県庁で中村法道県知事に対し、壱岐空港の整備や磯焼け対策の支援、クロマグロ漁獲枠拡大と資源管理に伴う支援など、10項目の要望案を記した要望書を手渡した。磯焼けによる漁獲の減少は、漁業者から早急な対策が求められていたことから、初めて要望に盛り込まれた。また、壱岐空港整備はこれまでと同じく滑走路延長を訴えたが、中村知事は昨年同様、実現には巨額の予算などを理由に厳しい回答をみせた。
漁獲減少に苦悩、藻場回復への支援を
近年では、藻場の枯渇が著しく、離島など周囲を海に囲まれた本県の漁業関係者は漁獲の減少に頭を悩ませている。県の報告では、本市のクロマグロ漁やイカの漁獲が4~9月までの前年同月比で約6割にまで減少し、県内では最も漁獲量の減少幅が大きかった。このようなことから市は、今年度の県知事への要望書に磯焼け対策への支援を盛り込んだ。
中村知事は「県としても、藻場の保全活動に対して全力を注いでいる」とするが、「残念ながら壱岐市が実施している食害魚の捕獲処分に支援措置を講ずることは行っていない。県では、食害魚の駆除を促進するため、例えば食用化に対する取り組みの支援を進めている」と回答した。
食害魚を網で仕切る方法でひじきの復活に導いた、五島市が進めている藻場保全の効果を例に出し「このような新たな取り組みを普及啓発しながら、漁業関係や各市と連携で対策を講じ、国に対して対策事業などの磯焼け対策に活用できる予算の確保に取り組んでいく」と県の方針を示した。
豊坂議長は「しかし、県全体で藻場が枯渇している事態がある。本県は水産県なので特に藻場対策には支援を願いたい。本市では平成28年からの異常気象や海水温の上昇が影響している」と実情を説明し、積極的な支援の必要を強調した。
※壱岐空港滑走路延長の要望など、他9項目は本紙面に掲載。