2020.6.02県と市で宿泊施設に大幅支援

市内の宿泊施設を利用した場合、大幅助成の可能性も

 

 県は22日、新型コロナウイルス感染症対策本部会議で、県民利用限定の県内宿泊で1泊あたり5千円を助成する経済対策を、6月1日から始めることに決めた。一方で市は、7日から市内宿泊施設への市民利用を助長する目的で、割引該当の宿泊施設の利用が半額になる利用促進事業を開始している。県と市の助成金はお互いに独自案のため、支援併用で市民が市内の宿泊施設を利用した場合、割引はさらに大きくなりそうだ。26日現在、市は利用の方針を固めるよう調整を進めている。

 

 県が示した、県内のホテルや旅館などの宿泊施設を県民が利用する観光促進のための支援キャンペーンは、コロナによる非常事態宣言などで外出や移動の自粛で経営の厳しさが増している宿泊施設に向けた救済策となる。

 県による新型コロナウイルス感染症対策本部会議後、中村法道知事は記者会見の席で「県内は現在まで1か月以上、新たな感染者は確認されていない。十分な感染防止策を講じながら経済活性化に主軸を移していく必要がある」と述べ、「県境を超えての移動は、感染防止で引き続き難しい。県民に県内観光をしてもらい、県内の魅力を再発見してもらえれば」と支援策の方針を説明した。4月の県内宿泊利用は、前年同月比で9割減の地域があり、逼迫している状況にある。

 県が示した宿泊キャンペーンは、県民が県内の宿泊施設を利用した場合、宿泊客は精算時に1泊通常料金から5千円を差し引いた額を支払い、その分の5千円を県が助成する。想定で述べ4万泊を見込み、約2億円の予算を専決処分する見通しという。

 一方で市は、県の宿泊支援キャンペーンに先駆け、4月17日に開いた市議会4月会議で、利用客が激減した市内宿泊施設を支援するため、市民が利用した場合に宿泊費半額を支援するキャンペーンを始めている。市は、市内宿泊施設を1泊大人6千円から1万2千円までの4つの料金プランに分け、18日現在で市内宿泊施設22を対象としている。

 市は26日現在、県の支援策を受け、6月1日から市と県のキャンペーンを併用できるよう調整を進め、今月中には方針を固められるように調整を急いでいる。