2020.6.02今こそ「国内初」の施策を

 コロナ禍での市民生活の逼迫は尋常ではない。これは本市に限らず全国の自治体にも言えることで、市民生活を支えるために各地でも様々な施策を打ち出している。本市民も生活の見直しや無駄な出費を抑えるなど、身近にできることを行いながら、先に発売された商品券や市内宿泊半額キャンペーンの活用など、市民同士の助け合いの動きも出ている。

 しかし、生活にかかる最低限の出費や経費は如何ともしがたい。特に、電気や水道などは削りようがない出費だ。市では、申請があれば上下水道料金の支払いを3か月猶予するように決めた。ありがたい方針ではあるが。他自治体はさらに一歩踏む込んだ支援策をしているところが多々ある。

 調べれば、水道料金の減免措置を実施している自治体は多い。滋賀県草津市は6月から9月までを全額免除、埼玉県所沢市は2か月の免除。九州では、熊本県山都町は3か月分を無条件で全額免除、大分市は2か月分の免除。これはほんの一例だ。ある市民は「本市の場合はコロナ感染者発生事例の影響も残り、市民生活の困窮は多大だ。もっと市民生活に寄り添った支援策を」と指摘する。

 総体的に現在の市が行う支援策に大きな不満はない。むしろプレミアム商品券の早期発行や、今回県が示した県内宿泊施設の助成金に先駆けて宿泊半額キャンペーンを打つなど、先手を打つ形が多い。国の方針にある10万円支給も他自治体よりもかなり迅速な対応だ。しかし、部分的に見れば、市民生活に寄り添っているのかと言えば、そうではない部分もある。

 今なお市民から当紙宛に届く、三役の給与減額の否決は最たるものだ。この件で市民から各議員にどのような声が届いているか知る由もないが、少なくとも当紙に届く意見や投書は途切れていない。

 本市は事あるごとに「○○で国内初」と銘打つ。2年前のアメリカ無人航空機メーカーと壱岐空港での無人航空機実証試験、昨年は気候非常事態宣言など、国内初にこだわりを持つ印象を受ける。

 ならば、全国を巻き込んだコロナ禍に対する支援策で、国内初、もしくは国内第一の策を示してはどうだろうか。決して嫌味で言っているのではない。これまで全国に先駆けた施策案を行っているのだから、この時こそ市民を支援し、全国が注目する策を示してもらいたい。そのことが結果的に市民生活を支え、助けることになるのだから。(大野英治)