2020.2.25本市人口、4年間で1563人の減
これまでの人口減少対策の効果検証を。将来的に自治体機能存続の不安も
市が毎月公表する住民基本台帳月報では、先月の人口は2万6398人(1万1668戸)。2016(平成28)年1月の人口は2万7961人(世帯数1万1634戸)とあり、この4年間で1563人の人口減になっている。現市政が始まる4年前の市長選で、白川博一市長は人口減少対策を公約に掲げ、市は様々な施策や計画案を盛り込むが、これまでの取組みでは十分な結果が現れていない。将来に向けた市政運営では、改めて人口減少対策が重要項目の一つになると考えたほうが良さそうだ。
昨年12月に公表した、市の将来に向けた具体的な施策の方向性などを示す「市中期財政計画」では、「人口減少と少子高齢化が急速に進行した。地方分権の進展や厳しい財政状況など、市政を取り巻く環境は大きく変化している」と危機感を示す。また、財政状況についても「地方経済の低迷や人口減少などにより自主財源の確保が難しい中、本市は地方交付税や臨時財政対策債などへの依存度が高い財政運営が続いている」とする。さらに「過去の大型事業などの起債の償還が本格化し、多額の財源不足となる見込み。行財政改革は喫緊の課題」と厳しい見通しを見せる。
令和2年度から5年先までの市の政策や事業を示す計画を策定する「第3次市総合計画」では、人口問題を課題として掲げる。対応として「人口減少は避けられない事実。この中で持続可能で豊かに暮らせる社会・経済を作り上げることが必要」「出生数は減少傾向が続き、今後も長期的な視点で少子化対策が必要」「転入促進策と若者のUIターン施策などのさらなる強化が必要」と分析している。
同計画には、雇用や起業、子育てや教育などの施策計画を挙げるが、平成27年から令和元年度までの第2次計画と比較して画期的な案は示されず、前計画からの継続維持の要素が強い。
しかし、国立社会保障人口問題研究所の試算による2030年の総人口は2万503人、高齢化率は41・9㌫と、今後も人口減少と少子高齢化が進むと予想している。現市政が始まる2016(平成28)年の前回市長選時からでは、7458人の減少が推測されている。
さらに、2015(平成27)年に公表の「市まち・ひと・しごと創生人口ビジョン」では、同研究所の試算(2013年3月推計)で、2040年の人口は1万8657人、2060年では1万2179人と、2015年時の人口から半分以下になることが予想されている。
人口減少は、地方自治体の維持が難しくなるとの見通しもあり、専門家は2040年には全国1800市区町村の半分の存続が難しくなるとの予測をまとめたものもある。国土交通省も全国6割の地域で2050年には人口が半分以下になるとしている。人口減は過疎による雇用不足や担い手不足、財政などへの影響は大きい。国内状況もあるが、市としても中長期に向け本格的な手を打つべき時期にいる。