2020.2.17「島の活性」と「議会の変革」

 次期市長選と共に、市議補選の候補予定者の顔ぶれもあらかた見えてきた感がある。勝本町の中原正博氏と郷ノ浦町の山口欽秀氏の2人でほぼ予定者は確定と見ていいだろう。告示日までに他の候補予定者が現れる可能性は否定できないが。両者ともに政策の公表はないが(11日現在)、これまでの発言、配布された資料から考えが見える。

 中原氏は、「市民の声に耳を傾け、皆と共に地域の活性化に取り組む」を筆頭に挙げている。具体的には「漁業や農業は、組合員の高齢化や後継者の減少により年々衰退をたどっている。漁業と農業の再生なくして本市の発展はない」とし、「特に漁業は海藻や魚介類の減少、国の縛りによるマグロの漁獲制限で漁獲高の減少が漁家経営を厳しくしている」とする。関係者らと取り組み、産業の活性化につなげたいと言う。

 さらに、活性化のために7つの方針を示す。内容は「漁業農業の再生」を第1項目にし、「地域防災の充実で市民の安心安全を守る」「子ども達の学力向上、体力増進に尽力」「スポーツ推進で健全育成と健康寿命の促進」「観光事業の促進で、商工業の発展」「高齢者や障がい者が安心して暮らせる地域に」「雇用の場を創出、人口減少の歯止め」としている。

 山口氏は、自身の政策や市の運営について考えを述べるため定期的に発行する「民報壱岐」から方針が垣間見える。先月発行の号外版には市議補選を見越して「今度こそ力あわせて変えよう」の見出しで考えを述べている。これまで終始一貫して述べているのが「今の市議会は市政をきちんとチェックできていない。議会を変えたい」と強調。そのために「壱岐のためにがんばりたい」と変革を訴えている。

 内容には「年金が削られ、医療や介護の負担が増え苦しんでいるお年寄りがいる。暮らしを守るために、毎議会で質問をして市民の声を届ける」とする。また、長きにわたる元教員という経歴を活かし「子育て安心の島に」と市民目線の市政運営を強調する。他にも、前回市長選後に起きた特定業者に向けた入札指名外しの告訴とその後の説明、入札疑惑などの問題が解明されていないとし「このような議会でいいのか」と提起している。

 次期市長選と市議補選は同時に行われ、市民の興味も高いことから投票率は期待できるはずだ。これから両選挙とも動きは活発になる。各候補者を「よく見て、よく聞き、よく考える」のが有権者には必要だ。(大野英治)