2021.7.20土砂災害の危険は2015か所
全国で頻発する豪雨被害、これからの時期は本市も万全の備えを
土砂災害防止法に基づき、県は住民の生命を守るためにがけ崩れや土石流、地滑りといった土砂災害が発生した場合に住民に危害が生ずる恐れがある「土砂災害警戒区域」と、警戒区域のうち建築物に損壊が生じ、住民に著しい危害が生ずる恐れがある「土砂災害特別警戒区域」の状況(令和2年3月31日告示分まで)をまとめている。本市の土石流警戒区域は35か所、うち特別警戒区域は26か所。急傾斜警戒区域は1926か所、うち特別警戒区域は1861か所。地滑り警戒区域は54か所、うち特別警戒区域はなし。合計で警戒区域は2015か所、うち特別警戒区域は1887か所にのぼる。
9日未明から市内各所で降り続いた大雨は、午前6時ごろに1時間あたり64・5㍉(芦辺観測所)の降水量を記録した。市は、午前5時50分に大雨洪水警報を発表し、市防災無線や防災情報メールで市民へ注意を促した。全国で大雨による被害が発生していることから市民に緊張が走った。本市ではほぼ毎年、6月下旬から8月末ごろにかけて大雨や台風による冠水や地滑り、家屋への被害が起きている。大雨などの自然災害は突発的に発生していることから、過去の教訓を生かし被害を未然に防ぐさらなる対応が必要とされる。
市は、台風や豪雨、地震などによる自然災害に備えるための防災マニュアルを作成している。市内避難施設一覧や、市が配信する防災情報の入手方法、緊急時の防災関連機関の連絡先などを全41ページにわたって掲載。そのほか、これまでに防災危険箇所マップを各戸配布し、現在は市ホームページからダウンロードできる。
全国で発生している大雨被害。近年、本市でも毎年豪雨被害が発生
7月に入り、全国各地で大雨による被害が頻発している。2日夜から3日朝までに東海や関東を中心とした激しい雨が降り、静岡県熱海市伊豆山で大規模な土石流が発生した。複数の家屋が流され、死亡者が確認されるなどの被害となった。気象庁によると、熱海市の観測地点では、同日午後2時半までの48時間雨量が320㍉を超え、7月の観測史上最大を記録した。
本市でもこれまでに豪雨や台風による被害が発生している。
▽2016(平成28)年7月12、13日の集中豪雨による土砂崩れなどの被害
▽2017(平成29)年6月29日から30日にかけて「50年に一度の記録的な大雨」で、各地で地滑りや土砂災害が多発。約1週間後の7月5日から6日にかけて発生した集中豪雨で道路陥没などの被害
▽2019(令和元)年8月28日には、再び「50年に一度の記録的な大雨」。芦辺町で道路冠水の被害
▽2020(令和2)年7月26日の大雨により、芦辺町深江付近で土砂崩れが発生し道路を封鎖
▽同年9月6日から7日にかけて、最大瞬間風速40・6㍍を記録した台風10号により、家屋の屋根が吹き飛ぶなどの被害が発生。本市全域の11683世帯と全市民26099人に避難勧告を発令。この時は2225人が自主避難した。※当時の被害状況は下記に掲載。
日本気象協会による今夏の予報では、「太平洋高気圧の周辺を回る暖かく湿った空気が流れ込みやすいため、梅雨前線の活動は活発となりやすい見通し。梅雨の時期は北日本から西日本にかけて、降水量が多くなりそう」としている。さらに今年の7月~9月の気温は、「広範囲で平年並か平年よりやや高く、全国的に暑い夏になる」と予想し、今年も予断を許さない状況となりそうだ。