2018.11.27入札疑義、県警捜査が終了

12日に捜査終了、証拠不十分で立証できず

 

 先月上旬から県警による捜査が進められていた郷ノ浦町長島の放射線防護対策施設整備などに伴う入札問題で、談合や入札情報の漏えいなどの疑義は、約1ヶ月の捜査期間を経て12日に捜査終了を宣言、13日に捜査員撤収となった。この1ヶ月間は関係職員や建設業者らの任意同行や聞き込みなどが行われ、入札疑義に関係した可能性がある副市長が突然の辞任を表明するなど市政は揺れに揺れた。今後の市政運営の動向を不安視していた市民らは、捜査終了によりひとまず安堵した。

 

 当紙の独自取材によれば、先月から捜査のために来島した県警捜査二課の捜査員は約20人。壱岐署の4階を捜査拠点として約1ヶ月間、入札疑義に関係したとされる市内建設業者や市職員、副市長らを対象に捜査を進めた。

 捜査対象となったのは、郷ノ浦町長島の放射線防護対策施設整備(建築主体)に関する入札で、昨年10月に市議会10月会議の審議を経て契約の締結をした。入札は制限付き一般競争入札で契約金額は1億8684万円。市内4業社が参加しその内の1社が落札した。この入札等に対し、談合や癒着の疑いがあるとされた。

 長島の施設整備工事の入札疑義を皮切りに、市政への捜査は過去の入札で談合や見積り情報漏えいの疑いに及んだ。その理由には落札率の高さがある。また、壱岐葬祭場建設工事入札で、談合疑いの怪情報が出回るなどの不穏な動きもあった。

 ある市民は先月末、別件の入札に関する情報公開請求を市に対して求めたが、市から「現在、関係機関に提出中」と回答が届き、「2年前に遡る入札なのだが」と首を傾げた。このことで過去約2年間分の、市に保管している入札資料関係が押収されていたことがわかった。

 県警捜査員は「なんらかの疑惑があることはわかったが、立証するには証拠不十分。ただ壱岐市の入札等の異常さは県内でもあまり例がない。今回は一旦引くが、しっかりと目を光らせていなければ」とし、本市の正常化を強調した。しかし「今後、違法性がある入札が行われた場合は、再度捜査に踏み込む可能性もある」と話して13日に撤収し本市を離れた。白川博一市長と親しい市民の話では、「市長は何もなかったから終了したと言っていた」とし、毅然として市政運営は健全と話していたという。

 今後は市議会12月会議に向け、新副市長の任命が待たれる。市議会12月会議は来月4日からの予定。一連の事案の説明が必要だ。