2018.11.27完全にクリーンと断言できるか

 この約1ヶ月間の県警二課の捜査はなんだったのか、本市に一体何が起きているのかを考えさせられる期間だった。県警の捜査が入る状況はどう見ても異常としか思えない。国家機関が捜査に踏み込む限りは、なんらかの疑義や不正があるとして動くのであり、何かが正常性に欠けていたとしか考えられない。ただ、法の下に人を裁くことがあるなら99㌫の確証では不十分であり、100㌫の確証が必要となる。今回の場合、何㌫までの確証に至ったのであろうか。あるいは完全な白だったのか、疑問は募る。

 

 捜査対象となった入札疑義の一つに、落札率の高さが挙げられた。落札率とは、予定価格に対する落札金額の割合のこと。例えば予定価格が100万円で、落札金額が95万円のときは落札率が95㌫となる。落札金額95万円÷予定価格100万円=95㌫だ。

 

 ある専門誌の記事には『官公庁の契約手続きの中で、入札(一般競争契約)を実施するときに、落札の上限値として予定価格を作成する。入札金額が予定価格よりも安ければ落札となる。入札に参加する会社は、自社の利益を少しでも多く確保したいので、なるべく予定価格に近い金額で落札するのが理想といわれる。予定価格に近ければそれだけ利益が確保できるからだ。そして会社側はより多くの利益を確保すべく、予定価格を知りたくなる。ここに談合や癒着が生じやすくなる。入札に参加しようとする会社は、事前に入札金額の調整を行い、落札者を話し合いで決め、見せかけの入札を偽装できれば、最大限の利益を確保できる』とある。

 

 当紙では工事入札情報の落札率を掲載している。ここ最近の掲載分を見返せば、かなりの件数で高い値の落札率が多いことがわかる。公共工事の一般的な話として、落札率が95㌫以上の場合には談合の疑いが強いと言われる。ある捜査員は、本市の落札率は県内どころか国内でも異常な高さだと言う。ここに談合や癒着の疑いを持っていたようだ。

 市全体に広まった噂の中、今回の県警捜査で辞任等はあったもののひとまずは幕を閉じた。逮捕者もいない。ただ今回の教訓を生かし、よりクリーンな市政にせねばならない。疑わしき行為があれば今後も捜査の目は本市に向く。(大野英治)