2021.2.23事業者への経営支援を上程

市内経済の回復と経営維持のため、市緊急経済対策事業

業種を問わず支援対象事業者に20万円からの支援金支給

 市は17日、新型コロナウイルスの感染拡大により、経営面で影響を受けた市内事業者を支援するため、市議会2月会議で総額1億6710万円の一般会計補正予算を上程した。これにより、本年度の予算総額は289億7210万円になる。上程された支援事業は、多業種の事業者に向け20万円以上の支援金給付と、利用客激減で事業継続が厳しい状況に陥っている九州郵船(株)と壱岐交通(株)を、公共交通の路線を維持するため支援するもの。

幅広い業種の個人事業主に20万円を給付

 新型コロナウイルス感染の第3波と市内で年末年始に発生した感染拡大の余波から、経済活動の根幹をなす人と物の動きが止まり、市内事業者は大打撃を受けている。このことから市は、市議会1月会議で「壱岐市地産地消応援プレミアム付き商品券」と島民限定「宿泊応援キャンペーン」第2弾を可決。しかし、両支援策は主に観光や飲食に関係した事業者を対象としているため、打撃を受けた他事業者へ新たな支援が必要とされていた。

 今回、市議会で新たな支援策「壱岐市事業継続支援金事業」が上程された。新型コロナの感染拡大による影響を受けた幅広い業種の市内事業者に対して、事業経営の継続と経営の安定化を図るための支援を行う。県が独自に県内全域に発令していた営業時間短縮要請を受けた飲食店などには1日当たり4万円の協力金を支給しているが、同事業は受けた業種以外とした。

 支援金の給付は、雇用者数10人以上の法人には30万円。議案では対象を市内50社と想定し、1500万円の予算を計上した。その他の法人や個人事業主には20万円。議案では対象を市内650件と想定し、予算は1億3千万円となる。財源は国費の「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金」から1億1600万円、県費の「県飲食店関連事業者給付金事業補助金」から3千万円、計1億4600万円が補正予算に計上される。

 対象の業種は、食肉・野菜・機械器具などの卸売業、建築資材・衣服・化粧品などの小売業、タクシー・レンタカー・集配などの交通運送業、不動産・行政書士などの事務所、塾・教室などの学校技能、美容院・マッサージ店の生活関連サービスなど多岐にわたる。さらに、時短営業の協力金を受給しなかった飲食業や宿泊施設も対象となる。

 事業者の給付金申請は、1月か2月の売上額が、対前年同月比から2割以上減少していることなどの要件がある。申請期間は3月1日~26日までを予定し、申請書類は市ホームページに掲載し、各支所窓口でも配布している。

九州郵船と壱岐交通の路線維持に補助金

 新型コロナの感染拡大で、公共交通を運営する九州郵船(株)と壱岐交通(株)の事業継続は厳しい状況となった。そのため、市は路線の維持と確保を図るため、「公共交通確保対策支援事業補助金」として、国費から2110万円の補正予算を計上した。

 九州郵船に対しては、唐津航路のフェリー1隻に付き500万円、2隻で計1千万円。博多航路のフェリーは1隻250万円、2隻で計500万円。ジェットフォイルは1隻125万円、2隻で250万円。博多航路についての補助金は、本市と対馬市の両市に関係するため、同額を対馬市も計上する。

 壱岐交通に対しては、バス1台に付き15万円で、乗合バスの台数は24台となることから計360万円となる。