2023.2.28両市議会、県へ働きかけ強化求める

壱岐・対馬市議会国境離島活性化推進特別委員会が大石知事に要望

 

 本市と対馬市の市議会国境離島活性化推進特別委員会(壱岐市/土谷勇二委員長、豊坂敏文議長。対馬市/作元義文委員長)は14日、長崎県庁(長崎市)で大石賢吾知事に対し両市共通の課題などについての改善検討を求める要望書を手渡した。重点取り組み事項として、ジェットフォイルの更新、両空港滑走路の延長などについての意見を交わした。これまで市や市議会は度々、単独の要望活動を展開してきたが、両市合同の要望活動は今回が初めて。大石知事と県担当者は要望内容に耳を傾けた。

 

 2017年4月に施行された有人国境離島法(国境離島新法)、昨年11月18日に成立した改正離島振興法など、国を挙げて国境離島の存続維持に力を注ぐ法案を成立した。本市と対馬市は、両法を最大限に活用した取り組みを調査研究するために2021年(対馬市は7月、本市は8月)、国境離島活性化推進特別委員会を設置した。

 両市は、急速な人口減少や高齢化、新型コロナウイルス感染症拡大の長期化による観光産業のダメージなど、共通する取り組みの課題が多い。そのため、両市の委員会は「交流人口の拡大、観光産業の振興と活性化を図るため、両委員会で要望を取りまとめる」として、昨年12月までに対馬市議会同委員会が要望案をまとめ、先月、壱岐市議会同委員会に対し合同要望の考えを提案した。特に今回は離島航路案が主なる要望のため、両市の合同が実現した。

 14日、対馬市議会同委員会の作元委員長ら委員7人と、壱岐市議会からは同委員会の土谷委員長、豊坂議長が県庁へ出向き、両市が取りまとめた要望書を大石知事に手渡した。

 両市の主な共通要望は全3項目。1項目にはジェットフォイルの更新を要望した。両市は「就航中のジェットフォイル2隻は、船齢が30年以上経過し船体の老朽化が進む。しかし、莫大な費用がかかる代替船建造計画は一向に進んでおらず、今後の高速船運航の存続を危惧する」として、将来に向けた航路運行の不安を訴えた。そのうえで「有人国境離島法の目的に沿った国の施策として、国、県の財政的支援を強く要望する」とした。

 大石知事は「県からも国へ要望していく。まずは仕組みを作っていく」と回答した。

 2項目は、燃料費高騰による運賃値上げについて、旅行者など島外者に対しての補助を要望するものだった。両市は「島民は割引などで運賃の低廉があるが、島外者は、運賃を満額支払うため観光客や帰省者の人流が大きく抑制される。島内経済を回復させるには、交流人口の拡大は必要不可欠。よって、支援制度拡充を強く要望したい」とした。

 大石知事は「有人国境離島法の割引の補助対象が島内住民となる。島外者は対象外であるのが現状。バンカーサーチャージの割引対象を広げるのは難しいが、他に観光関係の補助関係で人的交流拡大を目指していきたい」と回答した。

 3項目は、空港の滑走路延長に関するもの。本市は「現状の滑走路長は利便性が悪く、チャーター便の誘致が厳しい。どの機種でも離発着できる滑走路は必要。民間会議による期成会も設立され、官民一体で滑走路延長を推進するとの確認もある」とした。

 対馬市は「北朝鮮のミサイルなど、安全保障環境に不安がある。現状の脆弱な空港では島民避難や在韓邦人の対馬経由の移送も厳しい。さらに、対馬空港は立地条件が悪く欠航が多い」とした。

 両氏共通の要望としては、本市は1500㍍滑走路、対馬市は2千㍍滑走路の実現整備に関する調査費などの予算確保を伝えた。

 大石知事の回答は昨年10月12日、市の要望として白川博一市長が大石知事に同様の要望した回答と同じだった。大石知事は「空港整備には莫大な費用が必要。そのためには国が定めた採択条件があり、支援が不可欠。本当に滑走路延長が必要となるような就航が見込めるのかというのが現時点の条件になる。就航の見込みという観点から、非常に難しい状況ではないか」と考えを示していた。