2020.3.03次期市長選候補予定者、森俊介陣営が事務所開き

後援会は4人の共同代表。若手事業者らも協力

 

 任期満了に伴い4月12日に投開票となる次期市長選で、立候補を表明している森俊介氏(35)陣営は22日、郷ノ浦町(東触2番地)に後援会事務所を開いた。事務所開きでは後援会共同代表や事務局のメンバーが集まり選挙に向けての決意を固めた。昨年12月に現職の白川博一氏(69)が出馬表明して以降、無投票で再選の憶測から一転して先月20日に森氏が出馬の意向を示した。4月5日の告示まで残り約35日と迫る中、まずは森陣営の事務所開きが先行し、白川陣営は現在準備を進めている段階。これからの約一か月間が勝負の分かれ目となりそうだが、現状を見れば両陣営とも準備不足が否めない短期決戦と受け取れる。

昨年末までは白川氏の出馬表明以降、他候補者の顔が見えず無投票当選が推測された。しかし、今年に入り突然の森氏の出馬表明により動きは急展開した。現在は、両氏による一騎討ちとなる可能性が高そうだ。

 事務所開きは午前中から開かれた。後援会は平田賢次郎氏(元県議会議員)、吉野誠治氏(元JA壱岐市組合長)、村井省三氏(元福岡壱岐の会副会長)、下條朝則氏(株式会社壱岐の潮風代表)の4人が共同代表となる。また、若手の事業主らも協力に駆け付け、幅広い年齢層の支持を得ていることを印象付けた。

 森氏は表明後、「税金の無駄使い、市民の壱岐への気持ち、優秀な市職員の力、壱岐の魅力が知られていない」とする4つの「もったいない」を掲げたリーフレットを配布。同時に知名度を上げるため朝の辻立ちのほか、インターネットの活用や市内各所を回る活動などを展開し、後援会会員を増やしてきた。

 また、後援会では「みんなで壱岐を良くする会」が立ち上がり、22日付で会報1号を発行。紙面には森氏の基本政策が掲載され、「現行政には年間1・5億円の無駄使いがあり削減できる。また市長給与は20㌫削減する」「高齢者の買い物や通院難民がいる。島民助け合いタクシーを」「健全で発信力のある観光大使を任命すべき」など7つを示した。

 28日には会報2号を発行。「働く市長、変わる市役所。」の見出しで、自らが宣伝マンとなり島外PRで魅力を発信していくとし、行政改革を強調。考えとして「全市職員と面談し、現場の声に耳を傾ける」「独りよがりな市政にならないよう、市民との定期対話会を実施。WEB目安箱の設置」などを挙げた。具体的な政策では、「財政健全化を目指し、市の全事業の見直しと各事業費などの情報公開」「島外企業への発注を見直し、島内の経済循環を高める」など8項目の新たな考えを示した。会報は今後も政策を示すため定期的に発行していく予定だ。

 森氏は「Iki-Bizでの仕事を通じて市民生活の厳しさを実感した。一方で、市の税金の使い方や事業運営にもったいないと思うことが多々ある。これらを改善していけば壱岐はもっと良くなる。そのためには民間企業の経営感覚を取り入れることが必要」とする。また、「一番やらなければならないのは、財政の健全化だ。行政は市民の生活を豊かにすることが最大の仕事。民間も行政も同じだが、財政が厳しければ何もできない。市政の無駄な支出を見直せば必ず財政は持ち直す」と語った。