2020.2.17市議補選、2人が出馬の意向

欠員1議席をめぐる補欠選挙に候補予定者の動き始まる

 

 次期市長選と同時に行う4月12日投開票の市議会補欠選挙で、欠員に伴う市議会議員1人選出に向けた候補予定者の動きが見えてきた。現在(2月11日時点)の予定者は、日本共産党壱岐支部長の山口欽秀氏(66、郷ノ浦町)と、元勝本町漁協職員で自民党推薦の中原正博氏(57、勝本町)の新人2人。山口氏は「今の議会は市政のチェックができていない。変えなければ」とし、中原氏は「漁業の再生など、地域の活性化に取り組む」と決意を示す。今後、さらに新たな候補者が現れるのかにも注目したい。

 

 市議会は、2018(平成30)年12月に呼子好氏(平成31年1月27日死去)の体調不良による議員辞職に伴う欠員のため、4月12日に補欠選挙を行う。議員定数16議席に対して、現在まで15議席のままで運営されていることから、市選挙管理委員会は昨年1月に公選法の規定による補欠選挙を行うと発表した。

 現在の市議会議員選挙は2017(平成29)年7月にあり、次回市議会本選挙の2021(令和3)年8月で任期満了を迎える。補欠選挙の当選者は残り約1年4か月の任期となる。

 候補予定者の山口氏は、自らの意見や主張、市議会定例会を傍聴した中での指摘や考えを定期的に新聞折込みなど使い発信している。また、日頃から政治活動を行うなど市政運営に目を光らせている。「国保、介護保険の削減や、安心して子育てができる市政で住みやすい島に。また、現市政は無駄や解明されない問題が残されたまま」という。

 主な経歴は、壱岐高を卒業後、愛知県で36年にわたり教職を務めた。定年退職後は親の介護のために帰島し、市政をチェックできていない市議会を変えることを理由に2017(平成29)年に市議選へ初出馬した。

 中原氏は、勝本町漁協職員を39年間にわたって勤め上げた。また、教育委員や消防団勝本町副団長など、各方面で様々な経歴を持つ。出馬の理由は「長期に渡り勝本浦から議員が出ていない。地域から応援の声や自身の考えから出馬を決意した」という。

 取り組みとして「島の基幹産業の農漁業は高齢化や後継者不足で衰退している。特に漁業はマグロ漁や藻場の減少など対策に急を要する。本市の産業は全て連携し影響し合っている。経済の安定が本市の活性化につながる」とした。

 主な経歴は、1981(昭和56)年に勝本町漁協協同組合に入組、同組合共済債権部長などを務め先月31日に退職。また、2005(平成17)年に壱岐体育協会理事長に就任し、現在は同協会会長となる。2010(平成22)年に市消防団勝本町副団長に就任。2011(平成23)年から先月31日まで市教育委員会教育委員を務めた。

 市民の中には「我々の目に見えるような仕事と、市民の声が市政に届くような人に託したい」と、新たな市議への期待を持つ人も多い。また、「市長選と市議補選の同時選挙で、投票率も上がるのでは」とし、注目の高さもうかがえる。