2020.12.15今年の観光客動向を報告

1月から10月末までの観光客動向は予想通りの厳しさ

 

市議会定例会12月会議の行政報告で4日、白川博一市長は1月から10月末までの観光客数の動向と、6月19日以降の壱岐市東京事務所の現況を報告した。3月頃から始まった新型コロナウイルスの影響は夏場以降も続き、観光による施設などへの来客数は全体的に減少傾向となった。壱岐市東京事務所については「すでに238件の活動報告を受け、精力的に業務をこなしている」と述べた。GoToトラベルキャンペーンなどの効果で、観光客は10月上旬あたりから若干の回復傾向を示しているが、11月下旬からコロナ第3波と言われる感染拡大を懸念する状況も起きつつある。

 

 行政報告にある1月から10月末までの観光振興は、新型コロナウイルス感染症の影響から、厳しい状況であることは予想されていた。本市では3月から4月上旬にかけて6例の感染者確認があり、8月26日に7例目が確認された以降は新たな感染者は発生していない。

 しかし、9月以降から全国的にも落ち着きを見せつつあった感染者数は、11月に入り北海道や東京都、大阪府などで過去最多の感染者数となり、全国で連日2000人超えが確認される事態となっている。

 国が進めている経済支援策のGoToトラベル、イートキャンペーンの利用は各地での見直しが検討され、感染者拡大による利用者の動向とキャンペーン内容は、今後も内容の変動がある可能性は高い。

 このような情勢の中、行政報告では、観光客の動向を示す航路航空路や施設利用の動向を報告した。九州郵船とオリエンタルエアブリッジの1月から10月末までの乗降客数累計は、33万4682人、対前年比54・2㌫。これまでに開催した市航路対策協議会で九州郵船が説明してきたように厳しい運営現状が浮き彫りとなり、依然、経営状況悪化の懸念は続きそうだ。

 一支国博物館の10月末までの入館者数は、新型コロナウイルス感染症の影響から3万8629人で対前年度比54・8㌫。しかし、GoToトラベルキャンペーンによる効果や、10月2日から先月29日まで開催した第51回特別企画展「しまごと芸術祭」が好評で、10月の入館者数は対前年度比100・6㌫となった。

 壱岐イルカパーク&リゾートの10月末までの入園者数は、1万4143人、対前年度比49・5㌫で半数を切る状況となった。しかし、報告では収入は対前年度比110・1㌫と増加していた。理由として1人当たりの客単価が1783円と増え、対前年度比から2倍以上だったことによる。

 白川市長は、「施設や体験などの充実により、来園者が長く滞在できる魅力的な施設へと向かっていると捉えており、引き続き指定管理者とともに本市の観光の核となる施設づくりに取り組んでいく」と述べた。

 壱岐市東京事務所は、新型コロナウイルス感染症の影響により、6月19日から本格的な運営を開始した。

 主な活動実績は、10月末まで旅行会社への営業訪問76件、物産販売促進に関する活動34件、県及び県内他市東京事務所や国会議員事務所など関係機関への訪問・協議53件、移住相談対応9件、ふるさと納税の推進や来所者への対応などを含め、238件の活動報告となった。

 白川市長は「精力的に業務をこなしている」と同事務所への評価を見せた。しかし、新型コロナ感染第3波により、東京都の感染状況などは予測がつかず、費用対効果の検証をしていかねばならない事態は今後も続きそうだ。