2021.7.06「壱岐市議会選挙」新人候補予定者7人と予想
8月1日投開票に向けた市議選予定者は21人でほぼ確定か
7月25日告示、8月1日投開票を迎える第5回市議会議員選挙に向けて、立候補予定者の顔ぶれがそろってきた。6月末の時点で現職14、新人7の計21人が定数16議席を争う公算が強まってきた。投開票まで約1か月と迫る中、各町では各予定者の政治活動用立て看板が並び、自らの政治信念を示す「辻立ち」が見られるなど、選挙に向けた準備が着々と進められている。
7人の新人候補が予想される激戦
先月18日、壱岐の島ホールで開かれた市選挙管理委員会による市議選立候補者説明会では、現職14、新人10、計24陣営が出席した。
市選管によれば、出席した現職は土谷勇二、市山繁、豊坂敏文、中原正博、鵜瀬和博、清水修、小金丸益明、中田恭一、山川忠久、音嶋正吾、植村圭司、赤木貴尚、山内豊、久保田恒憲の14陣営。町田正一と牧永護の両議員は出席しなかった。(敬称略・受付簿順)
新人候補予定者は、柴山琢磨、森俊介、樋口伊久麿、橋本茜、山口欽秀、武原由里子、酒井たいが、他3人の10陣営(敬称略・受付簿順)。後日、他3人は今回の市議選には出馬しない意向を表明した。これにより出馬の意向がある候補予定者は21人(6月29日現在)になりそうだ。
市議選立候補者説明会は、選挙運動に関する注意点や手続きなどについての説明を受ける場。後日、市選管に説明書面を受け取るなどで、説明会以降にも出馬表明をすることはできるため、現在の予定者数21人からさらに増える可能性が残る。
前回の投票率や投票数、今回の当確ライン
今回の市議選の立候補予定者には、過去の市長選に出馬した2人と、市長へのリコール署名で反旗を翻した数人もいる。リコール署名活動からわずか2か月後の選挙となり、議員に対しての期待や不満などの影響も大きく残りそうだ。また、市民からはかねてから議会の改革を求める声も根強い。記者の予想では上位数人に票が集中し、当確ラインは過去の選挙以上に大幅に下がる可能性があると考える。
前回の市議選は2017(平成29)年7月に行われた。この時は現職13、新人6、元職1の20人が戦った。結果は現職11、新人4、元職1が当選し、現職から2人が落選した。
トップ当選は新人の1278票、最下位は現職で679票だった。トップから5位以内に新人3人がいたことから、新たな市議会への期待感が表れていた。投開票前から当確ラインは700から750票と予想したが、結果はわずかに下回っていた。
この時の有権者数は男1万690人、女1万2058人の合計2万2748人で、有効投票者数は1万7412人。無効投票者数155人。投票率は男77・02㌫、女77・41㌫、全体で77・22㌫(前回比5・02㌫減)の過去最低となった。
さらに4年前の2013(平成25)年は、有権者数は男1万1090人、女1万2544人の合計2万3634人で、投票率は男82・07㌫、女82・39㌫、全体で82・24㌫だった。
議員定数削減、議論は4年後の選挙に持ち越し
市議会6月会議一般質問の先月15日、登壇した植村圭司議員は突如、「今回8月の市議選で現在の定数16人を14人とするため、議会へ定数削減案を提出する」と発言した。
理由には、「8年前から議会は16人でやってきた。しかし、年平均約440人の人口減少がある。市長が掲げた行財政改革で行政のスリム化をするのであれば、議会のスリム化も必要ではないのか」と議会改革を掲げた。
議員定数削減は、これまでに幾度かあった(下記表を参照)。理由のひとつには、人口減少に対して議員数の割合がある。「市民数に対して議員数が多すぎるのではないか」との意見は、現在も市民の間で耳にする。
同会議最終日の先月21日、市議会議員定数16人を14人に改める「市議会議員定数条例の一部改正」を発議。しかし、賛成5反対10で否決された。
反対を示した議員は「議会内で事前の話し合いがない。提案が急すぎる」などを理由とした。賛成した議員は「事前に話し合うべきより、議員は本会議で採決するもの。議員は最も市民に寄り添うべき立場」とした。
議会の否決により、8月の市議選はこれまで通り定数16人枠となる。市民からは定数16のまま、議員報酬の見直し案の意見が依然として根強くある(下記表を参照)。4年後の市議選に向けて適正な定数の議論は、当選後の新たな議会で議論されるはずだ。
議員に対する市民の声
市議会議員に対する市民の期待や不満の声は、これまで当紙に届いていた投稿にも現れた。以下は、今年になって送られてきた投稿の一部を抜粋した。
▽昨年12月18日市長と議員との忘年会があった様だと、知人からかなりご立腹の電話だった。まさかそんな事がと思いつつ情報を集めると、市長を含む3役と議員(全員では無い)との忘年会が芦辺町で実施されたことが事実であった。
市民に自粛を呼びかけておきながら、信じ難い行動である。(1月22日号)
▽自ら会食を開いたことをきっかけで起きたコロナ感染拡大の責任として3役は3ヶ月10分の1減給する、と議会に提案するようですが、議会も今回は自らが一緒に忘年会をしていますので、十分な追及は期待できません。むしろ、議長は市長共々記者会見にのぞみ、認識の欠如について島民に詫びるべきです。(1月29日号)
▽今年は市議会議員選挙の時期ですが、市のために考えず、自己利益のために活動している議員と、市のためにご尽力している議員さんを市民に公表すべきです。昨年12月18日の会食に参加した議員を公表すべきです。(1月29日号)
▽昨年12月18日、市長ら三役と議員との会食について。「我々議員も懇親会を開催した責任を感じ、歳費の50㌫カット6か月間するので、市長・3役も市民に納得してもらえる額を出すべきだ」くらいの発言はなかったのか残念に思うし、それが良識ある議会の役割と思うが。(2月12日号)
▽コロナ禍での市長の報酬削減の提案は2回目でしたが、またもや議会で否決されました。行政を司る三役と市議の皆さんに支払っているお金は税金です。議員達への報酬は年間450万円として16人でいくらになると思いますか?(4月9日号)
▽市長リコール時に、全戸に郵送された「壱岐の明日に必死の会」が発行したチラシは、代表者も連絡先もないこのチラシは世間から怪文書と揶揄されております。リコールは国民に与えられた権利なのです。妨害とも思える行為は民主主義に対する挑戦です。怪文書に名を連ねた市議会議員の方々、投票を差し控えさせていただきます。今夏は市議会議員選挙です。市民の側に立てるまともな議員を選びましょう。(5月28日号)