2024.1.30続く選挙で投票率の影響を懸念

 国政の話になるが、衆議院の長崎3区で衝撃が走っている。自民党派閥の政治資金パーティー券による裏金問題で、政治資金規正法違反の罪による立件が続いている。本市を含む長崎3区では、同党の谷川弥一衆議院議員(82)が東京地検特捜部の事情聴取などの捜査で、19日付で略式起訴となった。特捜部の調べでは、直近5年間で派閥から4千万円超を受け取っていた。22日現在、谷川氏は議員辞職願を提出したという。

 この一連の事案は、長崎3区にある本市としては他人事で済ますことはできない。島民の一部の話では、パーティー券購入に協力した話や、集会などに駆り出された話を聞く。古い政治家の体質なのかもしれないが、半ば強硬な物言いを受けて協力していたとも聞く。

谷川氏は国政で大臣などの経歴はないが、県下では大きな力を発揮していた。国境離島新法の制定に尽力した姿を、白川博一市長や山本啓介参議の言葉で度々発せられていた。西九州新幹線の問題も残されたままだ。何はともあれ、本県のみならず本市においても大きな動揺だった。

 長崎3区の谷川氏が議員辞職した後、補欠選挙が行われる見通しとなる。選挙は4月28日投開票の日程が組まれるものと思われるが、次期衆院選は区割りが変更されて選挙区が1減となり全4区から3区に減る。このことで当市は3区の一部が加わる新2区となる。今回の騒動は、4月に予定される補選での与野党の動向が注目されることになる。辞職の意向を示す以前、谷川氏は比例選に転出するとされていた。同党の新2区は加藤竜祥衆議と決めていた。そうなれば、同党は補選でどのようにするのか。

 立憲民主党の県連は21日に幹事会を開き、2021年の衆院選長崎3区で谷川氏に敗れ、比例復活した山田勝彦衆議(44)を擁立する方針だという。他党の動きも今後、活発になってくるものと見られる。

 本市の場合、次期市長選と市議補選の投開票が4月14日に行われる。さらにその2週間後、衆議院補欠選挙が予定される。この場合、懸念されるのが投票率の低下だ。さすがに市長選、市議補選に行かず、衆院3区選挙補選に行くという人は少ないとは思うが、どちらにしても投票率への影響は大だ。