2019.9.03結果は行動でしか示せない

 県が進めている令和3年度から5年後に向けた次期総合計画策定の意見交換会で、会社経営者や各団体代表者らが集まり、問題や、将来を見越した取り組みなどを話し合った。

 本市や県が抱える問題は、人口減少や雇用などの人材に関するものが重要項目となっている。国境離島新法やキリシタン関連の世界遺産登録などで、県への来訪者増や注目度は高まってはいるが、離島などは依然、人口減少の速度にブレーキがかからない。

 

 意見は的を得たものが多々あり、以下に抜粋した。▽医療介護の人材不足。交通手段の理由から、80歳以上の高齢者の治療継続が難しい▽農業人口の減少が著しい。就農の選択肢が少ない。義務教育から、生徒らに将来の選択を見据えた学習をすべきでは▽12月から3月までの観光対策を真剣に考える▽近年は航路利用者増とはいうが、唐津航路は減だ。何か手を打たねば▽漁の低迷。魚が釣れず価格も安い。後継者問題もある▽働ける場の掘り起こし、子育て世代の社会への関わりやすい場を。

 かねてから声が挙がる意見が多くを占めるが、事あるごとに同様の意見が出るということは、根本的な解決と十分な対策が見えていないということ。県には目に見える対策をお願いしたい。

 

 他に、国境離島新法による雇用拡充の交付金で重要な意見があった。「事業拡大と起業を交付金により進めている市民がいるが、当初の考え通りに行かずに一部は経営に苦しんでいるようだ。審査時に、事業計画の精査や、成功する勝算まで考えて交付を決めているのか」というもの。予算があるからと「バラマキ」で決めてはいなかったかとの意見だ。

 交付金申請者は当然ながら事業成功を考え、真剣に応募している。ならば審査する側も成功までのプロセスを企画書から想像し、真剣に審査すべきものであるはずだ。

 交付金は基本的に返還する義務はない。ならば、審査側は交付金が渡った事業者のその後の運営や経営状況を把握し、検証していかねばならないのではないか。企画を練ることも審査をすることも机上のもの。しかし、実際の行動が想像以上に難しいことは常識だ。無責任と放置にならぬよう、交付金後の検証はすべきだ。意見交換会や審議会の類は、綺麗な言葉だけの机上の空論にならぬように。汗をかく行動でしか結果は出せない。(大野英治)