2020.12.01スマート農業推進で活路を

 21日に開催したSDGsシンポジウムは、本市の農業がどうなっていくのか、高齢化と人口減少に進みゆく未来への課題などについてのスマート農業化がテーマだった。

 SDGsとは、2015年に国連サミットで採択され、2016年から2030年の15年間で達成するための17の目標。「住み続けられるまちづくり」「産業と技術革新の基盤をつくろう」「気候変動に具体的な対策を」などが掲げられている。

 SDGsと聞けばあまりにも広大なテーマのため、理解しづらい。しかし、今回開催したSDGsフェスティバルやSDGsシンポジウムのように、ピンポイントに的を絞ったテーマであればわかりやすくなる。

 今回のイベントは、島の基幹産業である農業をテーマにした内容だった。特にシンポジウムで語られた、未来の農業の取り組みとしてのスマート農業は興味深い。この先も高齢化と人口減少が進めば、担い手が不足していくことは誰にでも想像できる。人がいなくなるのだから当然のことだ。しかし、その状況をただ指を加えて見ているだけならば衰退の一途を辿る。

 そこで市が問題の解決策として取り組もうとしているのが、機械やロボット、人工知能に活路を見出す農業方法になる。農林水産省は、「スマート農業」を「ロボット技術やICT等の先端技術を活用し、超省力化や高品質生産等を可能にする新たな農業」と定義している。世界では既に導入が進められている。導入によるメリットは「農作業の省力化・労力軽減、農業技術の継承、食料自給率の向上」など。

 ドローンによる農薬散布はすでに実用化されている。さらに、畑で実った作物の収穫にロボット技術を導入し自動化が可能となれば、労力の軽減は多大だ。ロボット技術や人工知能の開発が進んだ先には、24時間365日、人の代わりに機械が作業をこなしていく時代になる。

 こう言えば農家の人たちに失礼だが、今だ農業は「きつい、汚い、危険」の3Kの印象が強く、社会人の就職選択肢に入ってこない。しかし、今後は「稼ぐ、効率化、簡略化」の新3Kで新たな時代に向かいそうだ。(大野英治)