2023.12.14次期市長選、2人目の出馬表明
次期市長選の投開票日が来年4月14日に決まった。これまで4期16年にわたった白川市政が終焉を迎え、新たな首長が誕生する年となる。すでに元市職員の篠原一生さんが1人目の候補予定者として出馬の意向を示した。2日、同じく元市職員の出口威智郎さんが2人目の候補予定者として出馬を表明した。
さらに次の予定者の動向も気になる。以前からの情報では、現市議会議員の森俊介議員も今月中に出馬表明をする見通しだと聞いている。市議会会期中のどの段階で表明するのか、今後の動向に注目したい。真偽はともかくとして、さらに出馬の意向を示す人物の話もあるが、今のところ、確定と見て良いのは3人であり、三つどもえの戦いが最もあり得そうな状況だ。
出馬表明者の2人は、元市職員の行政経験者であり、白川市長も芦辺町時代からの行政経験者だった。そうなれば、行政経験者が描く新市政と現市政との違いは何なのか、大いに気になる。
過去から現在に至る市政の特徴は、まず国の自民党政権の動向や施策に左右されてきたことだと思う。有人国境離島法に関する雇用拡充交付金などはその最たるもので、事業展開する島外事業者へ交付金が多く使われている。個人的には、もう少し島内事業者の能力に期待した交付の判断でもいいのではと思う時もある。一方で、コロナ禍における支援などはスピード感がありプラスに働いた。つまり、一長一短の差が大きかったのではないかと思う。
島外企業との数多くの連携協定や、最近ではエンゲージメントパートナー協定などもある。小さな離島が力をつけていくためには肯定する部分も多いが、いかんせん、市民にはわかりづらい。行政主導の印象が強く、何が市民への恩恵になるのか、何が市民の生活に関わるのかが見えづらい。SDGsや脱炭素などの施策も、市民の理解や反応に差を感じる。理解が難しい施策ほど、市民への十分な説明が必要なはずだが、不足感を抱くことは多々あった。
これまでの市政の方針に対し、新たな候補予定者は何を示し、何を訴えてくるのか。わかりにくい行政言葉ではなく、市民に寄り添った理解しやすい言葉で伝えてもらいたい。現候補予定者の2人が行政出身者だけに少々苦言を呈したが、新たな時代を築くために期待する部分もあり、肯定的意見の一つとして捉えてもらいたい。