2023.12.14次期市長選、2人目の予定者、出馬表明会見開く

出口さん、出馬のため1日に市職員を退職、行政から2人目の表明

 白川博一市長の任期満了に伴い、来年4月14日投開票の次期市長選の候補予定者として、出口威智郎さん(48・無所属)が名乗りをあげた。出口さんは2000年に旧郷ノ浦町役場に入庁、2020年に市役所史上最年少の44歳で商工振興課課長に就任し、退職直前まで観光課長として観光振興を目的とした台湾でのトップセールス(他国への売り込み)を実施した。さらに、一般社団法人市ふるさと商社事務局長、市福岡事務所所長などを務め、全国に営業行脚、壱岐産品を広く販売・宣伝してきた。「市の最大の問題は人口減少」と考え、子育て支援や高齢者への助成、産業振興など10の政策を掲げ出馬を表明した。

 郷ノ浦町麦谷触出身の1975年10月21日生まれ。高校卒業後は長崎総合科学大学管理工学科で学び、2000年の24歳の時に旧郷ノ浦町役場に入庁、2004年の4町合併による市政誕生と島の変化を見続け、約24年間、市役所で勤務してきた。市役所の業務を担う傍ら、市消防団郷ノ浦地区消防主任、県消防協会壱岐分会事務局を担当するなど、市民と市の安全安心のための働きも担ってきた。

 白川市政について「光ファイバーネットワークの整備、県病院企業団の誘致、国境離島新法制定による運賃の低廉化など、敏腕を振るわれた」と評価し、「白川市長が来年4月をもって勇退されると聞いた時、その後の市をどうするのか、この島にはまだまだやるべきことがたくさんある、それを誰がやるのかとよく考えた。『私が、市役所の仲間とともに壱岐の将来のためにやるしかない』と強く思った」と、次期市長選挙の出馬の決意を語った。

 本市の課題として「人口減少をなんとかして食い止めたい」という。「私が入庁した2000年は、壱岐の人口は約3万3千人だったが、今では約2万4千人にまで減っている。わずか20年余りで9千人もの人がこの島から姿を消している。2030年には2万人台まで減少する予測もある。人口減少が進めば、町に活気がなくなり、税収も減り、市民サービスを維持することが困難になる」と話す。

 「そこに住んでいる人が幸せに暮らしているかが鍵」として、「市民をより幸せにする施策を続けていくことで、幸せの連鎖が創られ、移住しやすい環境など人口減少問題の解決にもつながる」とする。

 そのため、実現を目指す10の政策を示した。

①2025年春、子ども達の給食費を完全無料に

②出産・子育て支援事業を拡充する

③保育料を第1子から無償化する

④スクールバスの不公平を解消し、石田地区への導入を検討

⑤高齢者対象の島内限定宿泊助成券、島内周遊観光バス割引券を発行

⑥漁業復興のため、藻場の再生・栽培漁業センターの活動等の支援

⑦壱岐牛や壱岐焼酎などの販路拡大を目指して日本全国にトップセールスで営業

⑧壱岐市福岡事務所を復活

⑨市民の利便性向上のため、市役所窓口45分延長の改革

⑩上記施策実現のため、ふるさと納税寄付額20億円にチャレンジ

 「すべては壱岐島で暮らすみんなのために」の想いを掲げ、出馬に向けた意気込みを語った。