2024.4.02明確な根拠と責任を持って開催を
次期市長選に立候補を表明した4人を招いて25日、討論会が壱岐島開発総合センターで開催された。予定の傍聴席数は300席、しかし、実際に会場に訪れた来場者数は、座席数に対してほぼ半分の100から150人。市のトップを決める討論会にしては、あまりにも寂しい来場者数だった。
開催に向けた周知不足もあるが、今回の選挙に向けた市民の関心度の低さも表れている。2016年に開催された討論会は、壱岐の島ホールに約500人が来場した。2020年はコロナ禍のため一般傍聴席を設けなかったので参考にはならないが、8年前の討論会と比較すれば、わずか3割程度の来場者だったということだ。
本来、このような公開討論会はより多くの市民に向けた発信が重要であり、選挙に目を向けてもらうことが主旨のはずだ。討論会の実行委員会に対しても対応に疑問を感じた部分があった。
開催わずか数日前、実行委員会から「新聞各社などのマスコミは、当日の撮影と録音は禁止」との指示が出された。要するに取材ができない体制を強いられたということだ。無論、このような理不尽は許されないので、実行委員会と交渉し取り消しを求めたが、もしもこのまま撮影録音禁止が行われたならば、今回号の1面記事はなかった。市民が討論会内容を知る方法は、会場参加か翌日以降のケーブルテレビ放送のみでしかない。
繰り返すが、公開討論会はより多くの市民に向けた発信が重要だ。意味も根拠もない報道規制は、市民の知るべき権利を妨害している行為だ。何のための公開討論会なのか。さらに言えば、実行委員会の代表者や責任者が誰なのかも公表されていなかった。万が一、不測の事態が起きた時に誰が責任を負うのか。
このような会を催す場合は、必ず責任者となる代表者を明確にし、開催主旨の根拠と理由を持って会を運営すべきだ。特に今回の場合は、市の将来を左右する市長選だけに、より一層厳しい目で指摘をしている。開催告知は特に用意周到にすべきだ。事実、複数の市民からは「開催があったことを知らなかった」との声が寄せられた。
登壇した4人の候補予定者はどれも甲乙つけ難い主張だった。投開票日まで1か月を切った。あとは全力で駆け抜けてもらいたい。