2023.7.18慎重な判断で事故の回避を

辰ノ島海水浴場での水難事故は県内のみならず、全国のニュースとして取り上げられた。結果として全員の無事が確認されたから良かったものの、またしても子どもの尊い命が失われるのではないかと、気が気ではなかった。

 5日の事故発生の翌日、勝本中では保護者説明会を開いたが、関係者以外は非公開となり事故の詳細はわからない。今後、事故の原因や危機管理を確認せねば、また繰り返す可能性があるのではないか。一部市民の中には、今回の事故は人災だったとの声もある。

 現在、本市では子どもの命の大切さが問われる。3月に起きた離島留学生の死、今回の女子生徒の水難事故。本市の教育のあり方が問われている。そのため、今回の事故について勝本中の奥田校長に話を聞いた。

-清掃後の遊泳は学校側も承諾の上なのか。

 この時期の辰ノ島の清掃は、20年以上続く勝本中の伝統行事です。遊泳も当時から続いていました。

-遊泳には監視員がいるはずだが、今回はどうだったのか。

 見守りハウスに1人、漁協の2隻の船からの監視、あとは保護者9人、職員15人で監視していました。

-数日前にチーム防人が清掃しているが。今回の清掃は何のためなのか。

 防人さんの活動できれいな状況でした。私達は歩道の砂の撤去などを行う予定でしたが、雨のため砂が重くなったので、ごみの回収とともに砂浜のガラスの破片や石の撤去をしました。

-当日は強風注意報が発令していた。予備日はなかったのか。

 予備日はありましたが、早朝に漁協職員が現地確認をして、大丈夫だとの判断でした。しかし、雨が降り予定時刻から2時間遅れて作業に入りました。その後、作業時間中に注意報が発令しました。

-昨今の本市では、子どもの生命に関わる事案が多発している。学校側の危機管理と管理監督についてどう考えるか。

 子どもの命を守ることは大切な役目。二度と繰り返さないこと、不安を持った子ども達への心のケア、学校と地域、保護者とともに考えること…。

 一部抜粋の回答のため学校側の想いが伝わりにくいが、事後対応と生徒へのケアに不備は見られない。生徒も楽しみにしている勝本中の伝統行事であり、今後は地域やボランティア団体も交えて、継続して行ってもらいたい。しかし、近年の自然の猛威は予測がつかない。より慎重な判断は必要だと思えた。