2020.6.23島内経済回復にあらゆる手段を

 本市では、コロナ禍により経営が悪化した事業者を救おうと、市民同士が助け合う島内循環型の各支援策が活発に使用されている。

 1日に発売を開始した、飲食利用券と市内全店で利用できる共通券をセットにしたプレミアム商品券第2弾の4万5千セットは、発売からわずか15日で完売となった。1人5セットまで購入可能で、本市人口約2万6千人が1人あたり5セットを購入したと考えれば、約5200人が購入した計算。1セット5千円の販売で、販売総額は2億2500万円。実に多くの市民が商品券を購入し、島内経済が動いたことになる。

 5月7日から発売したプレミアム商品券第1弾は、発行総数5千セットで、発売から6日間で完売した。通常の商品券よりもお得感の高いことが売れ行き好調の要因になろうが、それにしても発売から完売までの速さを思えば、市民力の凄さを感じざるを得ない。

 また、市民利用で1泊あたりの宿泊費の半額を助成する、島内宿泊施設応援キャンペーンも、期間内で目標の2千人泊を超えたことから、キャンペーン受付を30日で締め切った。県が支援に乗り出した、県民の県内宿泊利用で1泊あたり1人5千円の助成と併用すれば、プランによっては自己負担500円から宿泊が可能になるものだ。商品券同様にお得感があるからこそ好調だったこともあろうが、やはり市民の協力なしではここまでの販売結果はなかったはずだ。

 15日、島外観光客誘致に向けた支援策「いきたび応援キャンペーン」も動き出した。市は、島外者利用で市内宿泊が5千円割引になる「壱岐島プレミアム商品券」と、往復船利用代・1泊2食の宿泊料がセットになった旅行プラン「壱岐しま旅観光応援プラン」を販売。国の交付金と市の補助金で最大8千円を助成し、19日から8月1日までの利用期間で行う。市観光連盟のホームページでは「たった2千円で、なんと7千円分の利用が可能!実質5千円もお安く泊まれます」と宣伝している。さらに、全国のコンビニでも購入できることから、販売網はコロナ禍以前よりも幅広い。

 しかし、気になるデータもある。帝国データバンクは11日、九州・沖縄の企業の意識調査でコロナ禍による「マイナスの影響がある」と回答した本県企業は87・5㌫もあると発表した。島内経済回復の手段は、まだ続けていかねばならない。(大野英治)