2018.7.31学校教室の冷房設置再検討を

 今年の夏は埼玉県などでは気温41度超えを記録するなど、尋常ではない。この暑さは温暖化の影響か、今年だけではなく来年以降の夏も気温は上昇していくとの予想がある。

 20日付けの西日本新聞に「学校のエアコン設置に地域差」の記事がある。九州7県の小中学校普通教室の冷房設置率は、福岡県は65・5㌫、佐賀県が47・2㌫、熊本県や大分県、鹿児島県などでは約30㌫から35㌫となっている。全国の設置平均は49・6㌫、全国小中学校の約半数の教室には冷房設備があることになる。

 長崎県の冷房設置率は8・6㌫と極端に少ない。気温は他県と同様に今夏は30度から35度を記録する日もある。設置率が低い現状を県は「全小中学校に設置するには約8億円かかる」と財政負担増を理由にする。

 ちなみに本市の小中学校については、昨年の市議会9月会議の場で挙がっている。本市の場合、小学校普通教室128室は全て未設置、170室ある特別教室のみ37室に設置している。中学校も普通教室34室全て未設置、特別教室73室のうち12室のみ設置という状況。上記データにある冷房設置率の全国平均と県下平均で比べるまでもなく、普通教室の設置率は0㌫だ。

 この時の一般質問で赤木貴尚議員は「保護者から、この猛暑では暑くて勉強に集中できない、なぜ普通教室に冷房はないのかとの話を聞く。年々気温上昇となる中、なぜ設置を考えないのか」と問うている。

 教育長はこの質問に対し、「夏の教室は30度以下が望ましいと文科省が示し、数日の例外はあるが基準内に留まっている」と答え、「子ども達の体と心を鍛えて、その先に頭が鍛えられてくるというのが私の教育の信念。学校にエアコンを付けると、地球温暖化にはますます拍車をかけることにもなる」と答えている。また各校の先生方も同じ気持ちだという。

 しかし熱中症は気持ちや心構えでどうにかできるものではない。もはや根性論は通じない。人体への影響の問題だ。さらに今年6月から文科省はこれまで教室は「30度以下が望ましい」から「28度以下」に変更している。このことからも再検討は必要なのではないか。(大野英治)