2023.11.14再び議会改革の議論を求む

 令和4年度の市一般会計歳入歳出決算を審議する市議会常任委員会が1日と7日に開かれた。これまで、本会議の決算特別委員会は何度も取材に行ったことがあるが、その後の決算に関する常任委員会は初の傍聴となった。というのも、これまでも、そして今回も事前に開会の周知はなく、マスコミや市民が知らない間に進められ終えていたことから、今回は取材の依頼をして入室することが可能になった。

 決算を審議する委員会は、いわば市政の財政状況や施策についての予算執行が適正であるかなどをチェックする場となる。市議会議員が最も力を入れて働かねばならない場面であり、市民の代表という立場から、最も使命感を持って望まねばならない審議だと断言できる。委員会の判断がそのまま本会議の採決に反映されるからだ。

 しかし、傍聴して感じたのは、意見や質問をする議員としない議員が明確に分かれることだ。無論、執行部に対して何でもかんでも意見や質問を投げかけていいものではないが、何も発言をしないよりははるかに良い。審議中、無発言の議員は何も意見や思うところがないのだろうか。執行部側の決算書に何一つ疑問もなく理解し、すべてに賛同をしているのか。そういう議員は、もはや委員会など不要なのではないのか。

 市議会は昨年、議会のあり方を考えるため、議会改革特別委員会を開いている。その中で判断したことは、▽議会中継のユーチューブ動画配信▽議会報告会は常任委員会別に開催▽議員定数は16人の現状維持▽政務活動費月1万円交付(2025年8月より)▽議員の育児休暇に関する規定の加筆修正-など。

 これらの方針は、議員自らのためのものであり、市民に対しての改革案はほぼない。唯一、議会中継のユーチューブ配信があるが、なぜか現在は配信を停止している。これでは何のための議会改革特別委員会だったのか。自分らの意向を抜き出し、都合の良い方針にまとめただけではなかったのか。

 当紙は前号の同欄で、市民からの投稿で再び議員定数の適正化の案を示した。その理由は前号で示したとおりであり、再度言うまでもない。

 来年度は次期市長選とともに、市議補選もある。その翌年には市議選の本選も予定される。今、本市は大きな変革の時期にいる。財政の適性見直し、これまでの施策の検証、補助金などの使途、行政の質の向上。その達成のためには正常な運営が行われる市議会として、重要な役割となるべきなのだ。それができないとなれば、議会改革の断行が必要だ。

 時代はすでに先へと移り始めていることを自覚せねばならない。ただ座っているだけの「お地蔵さん議員」は必要ない。よって、再び議会改革の議論を求める。