2022.6.29なぜ不明な答弁を繰り返すのか
郷ノ浦町柳田地区の旧辻川石油跡地での建設計画が進む、民間事業による認定こども園について、市民の反響は大きい。市はなぜ、頑なに同地で建設を進めようとしているのか。行政職員か市議の誰かの利権が絡んでいるのかと疑念がよぎるほど、頑なさを崩さない。
これまで市は「同事業は、県が許認可を出すため、県に対して意見は言えない」と言う。しかし、県の子ども未来課に問い合わせたところ「建設予定地は、県が決めたものではない。2月1日に市から提出された協議書に基づき県は予定地を受けた。県は現地の確認はしていない。もしも不適地と判断した場合は、建設認可は出さない」と明確に答えた。さらに「市は県に意見を言えないとあるが、そんなことはない。元は、市が県に求めたもの。県は市側の意見を受け付けないなどあり得ない」という。
一体、市は何を根拠に「県には何も言えない」と答えたのか。さらに県は「建設予定地は事業者と市側で確認しているはず。県が決めたものではない」とまで言った。もう訳がわからない。だから利権がらみを勘繰ってしまうのだ。
前号でも軽く触れたが、2月1日の市から県に提出された協議書には、こども園建設に関しての市の意思が明確に記載されている。市が記入した協議書で、市は県に対して同地で建設を希望するとしている。ここまで記載して、5月30日の全協で市は「寝耳に水」とは、よく言えたものだ。受けた議会もそれを真に受けるとは、いったい本市はどうなっているのか。
ここまでは書きたくはなかったが、同予定地周辺では約40年前、豪雨による死亡事故が起きている。当時、本市を襲った豪雨は同予定地の上部に位置する大谷周辺から大量の雨水が同予定地と周辺道路に流れ込んだ。その濁流に女性が巻き込まれ、尊い命が失われた。同地は土砂災害だけでなく、豪雨による影響も受けやすい。このような事故は二度と起きてはならないと思わないか。
県は不適地と判断した場合、たとえ災害対策整備を提案しても建設許可は出さないという。県担当課も市民も、市の建設判断に疑問を持ち始めた。それでも頑なに建設計画を推すのならば、やはり利権ありきかと疑いを深めざるを得ない。違うと言うのならば、子どもの安全と保護者、市民の意見を考慮した建設判断に変更すべきだ。島は狭い。あらぬ疑念はすぐに島内を駆け巡る。