2018.7.24「西日本豪雨」できることから手を差し伸べよう
先月28日から今月8日頃にかけて西日本各地を中心に継続的に襲った豪雨は、平成では最大の記録的被害を及ぼした。今週始めの発表では、死者は14府県で212人、安否不明者は21人。また上水道や通信といったライフラインに被害が及び、交通障害でボランティア支援や復旧作業もままならない状況がある。まさに阪神大震災、東日本大震災に続く甚大な被害をもたらした災害といえる。
気象庁による暫定公表の観測データによれば、「6月28日0時から7月8日9時までの総降水量は四国地方で1800㍉、中部地方で1200㍉、九州地方で900㍉、近畿地方で600㍉、中国地方で500㍉を超えた。多くの地点で48時間、72時間雨量の観測史上最大値を更新」とある。昭和に遡っても豪雨でここまでの被災は、昭和57年7月に300人近い死者と行方不明者を出した長崎大水害以来だともいう。
本市の場合は、今回の豪雨の初期段階で台風7号による大雨と強風を受けたが、昨年6月末の豪雨に比べれば被害は少なかった。しかし本市にしても今回の被災地にしても、ここ数年以内に豪雨による被害を受けた地域でもあり、もはや梅雨時期には毎年警戒せねばならない事態と思える。また今夏、同様の豪雨や台風到来がないとも言い切れない。
頻発する各地の自然災害では、復旧ボランテイアや行政支援、各事業者や個人からの義援金や募金活動など、助け合いと支え合いの精神がなければ、現在の状況ではとても追いつかない。本市でも壱岐交通(株)などが義援金や募金活動で、被災地への支援を始めている。観光を通しての縁とお世話になっている人たちへの「今できることの手助け」と自発的に始めたそうだ。いつ我が身に起こるかわからないからこそ、支援と行動が支え合いを生む。
詩人の宮沢賢治の「雨にもまけず」の詩が思い浮かぶ。「雨にもまけず、風にもまけず、雪にも夏の暑さにもまけぬ…東に病気のこどもあれば行って看病してやり、西につかれた母あれば行ってその稲の束を負い、南に死にそうな人あれば行ってこわがらなくてもいいといい…」。(大野英治)