2018.7.24交通ビル、毒性を含む高圧コンデンサ処分命令

 交通ビル(郷ノ浦町郷ノ浦)に設置されている高圧コンデンサ(蓄電器)1台に、人体への害を引き起こすポリ塩化ビフェニル(以下PCB)を含むものがあり、早急な処分措置を講ずる改善命令が今月10日に発せられた。所有者は法定処分期間の今年3月31日までに処分もしくは処分委託しなかったために、改善命令の対象となった。処分指導を行う県は、引き続き所有者に対し高圧コンデンサ処分を促していく考えだ。

 昭和46年にボウリング場やホテル宴会場、バスターミナルを一体化した商業施設として交通ビルは、平成18年9月にホテル業を廃業し約12年に渡り空きビルとなっている。近年ではビルの老朽化が著しく、今年に入り建物正面の庇(ひさし)や外壁の落下など周辺住民の不安を招く事態が相次いで起きている。
 このような状況で、県の廃棄物対策課は交通ビル所有者に対し「ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法」による改善命令を発した。交通ビル内にある高圧コンデンサ1台がこれに該当し、内部はPCBで満たされている。PCBは人体への毒性が高く健康被害を引き起こすことから、国は全国でも廃棄物処理を進めている。
 高圧コンデンサは建物内4階部分にあり、約3年前に県による建物内の立ち入り調査を行なっている。当時の確認では高圧コンデンサは建物内設置類の一般的なサイズである約35㌔、外部は金属製。金属部分の劣化は認められず、内部のPCB漏れは今のところ確認されていない。
壱岐振興局の衛生環境課によれば、平成26年から法で定めた今年3月31日までに、書面や電話、直接面談などで約30回に渡り所有者に対し指導を行ってきたが、期日まで進展がなかったという。
 処理費用は本体処理が約60万円で島外への運搬費用が約40万円の概算。ただし、中小企業者に対して国や県の本体処理費用には軽減制度があり、料金の70㌫が軽減できる。国としては積極的な処理を進めるための制度だ。
 所有者に促す改善命令には強制力はなく、粘り強い話し合いによる解決となる。交通ビルの老朽化は年々進み、問題点も次々と露呈。同ビルの周辺住民にとっては安心して生活できる環境とはいえない。生活を脅かす事態となる前に早急な対応を期待したい。