2019.12.17「市ケーブルテレビ」多額の譲渡費用がなぜ起きたのか

 市ケーブルテレビの新旧指定管理者業務引継ぎが進み、新年度から新指定管理者の光ネットワーク(株)での運営が始まろうとしている。ここまでに至る道のりは先の見えない混乱が続き、今後の市民サービスはどうなるのか、不安にさらされた。

 市と現指定管理者の関西ブロードバンド(株)(以下、関ブロ)の合意が10月に交わされた。しかし、合意を交わす条件のひとつとして、市は関ブロに対して1億5000万円の譲渡費用を支払わなければならない。今議会で説明があるかもしれないが、当紙が取材を重ねた中でわかるのは、その理由は市と関ブロとの指定管理者契約を交わした2010(平成22)年までさかのぼるようだ。

 9年前、市と関ブロは市ケーブルテレビ開局などの準備を進めるために業務内容を記した協定書を交わしている。また、間接的な理由にもなるが、開局時に光ケーブルの資材調達の遅れが起き、全島一斉サービスに影響が生じた。この時、関ブロはサービスの遅れで生じた多額の経費などを持たねばならない事態が起きた。想像上でしかないが、この時期の経費が後々の設備関係の所有や管理にも影響していると思われる。

 そして、9年前に交わした協定書の解釈の違いが業務引継ぎの段階で浮き彫りとなった。市と関ブロは互いに弁護士を介し、協定書にある契約者の個人情報や関ブロが導入した設備などの管理がどちらにあるのか、法的な解釈を話し合った。市は「あくまでも協定書の記載通り」として、個人情報などは市の管理にあるとしたが、関ブロは個人情報保護法などの理由で新指定管理者に開示はできないとした。

 その部分が合意に至る争点だったが、結局、関ブロは管理する個人情報を契約者への承諾を得た上での移行に応じ、市は移行における管理を引き受けるために有償譲渡とした。個人情報を含むそれら譲渡費用が1億5000万円という金額になる。

 そもそも論だが、通常の移行が行われていたのならば、この譲渡費用は一切かからなかったはずだ。市の財政基金残高を見れば、今後の財政状況から考えても安い出費とは到底思えない。市は「協定書に不備はない」と言う。ならばなぜ多額の譲渡費用が必要なのか。普通に考えて、不備がなければ無償譲渡になるはずだ。「市民サービスに影響しないため」の早期解決が理由かもしれない。ただ、一つだけ言えることは、不要だったかもしれないものに、多額の予算が発生したことだ。(大野英治)