2019.11.26早めの開催告知で最大限の効果を

 以前から気になっていたが、市が主催や関係するイベントの事前告知が不足しているように思えてならない。

 16日、郷ノ浦町の弁天崎公園でSDGsに関する野外イベントが開催された。公園一帯を開放し、ミュージシャンを招いてのステージや、未来に向けた最新技術を間近に体験できる機会があった。さらに、白川博一市長や富士ゼロックス、各業界で活躍する経営者らが登壇して、本市にも関連する将来像を語り合うトークセッションなどもあり、盛りだくさんの内容だった。

 イベントとの内容は、これまでの島内イベントでは前例がないほど濃く有意義なものだが、残念なことに内容は良くても来場者数は決して多くはなかったようだ。一部の市民は、同イベントを知らなかったと言う。知っていた市民も、どのような内容なのかわからないので行かなかったと言う。

 

 各出展ブースやステージの模様を見て、もっと多くの市民に来て欲しかったと思い、残念でならなかった。特に、SDGsという一見難しくわかりにくいテーマについて、知るきっかけにもなり得たはずだ。特に、本市はSDGs未来都市のモデル事業を推進する自治体に選ばれている。市民の認知度と理解あっての事業推進であることも忘れてはならない。

 イベントそのものは申し分ない内容だったが、事前の告知が不足していたことが唯一の課題として残った。イベントは来場者があってのものであり、成功か否かは来場者数に比例するものだ。この課題は今後の各イベント開催時には改善してもらいたい。

 

 ただ、行政主体で巨大な音響や公園一帯を活用した野外イベントを開催し、会場周辺地域の理解も得ての成功例は、今後も良き前例になろう。本市の若い人達や島の活性化のために何らかの行動を考えている人達には、良い礎を築いたはずだ。過去には野外イベントによるトラブルや問題が生じた。それは準備期間の詰めの甘さや主催者側のルールの甘さが原因だった。しかし、今回のような行政主体の成功例は後に続くイベント企画に必ず良い基礎となる。

 イベントの成功を左右するのは、事前準備に尽きる。開催前の早い時期から広く市民に向けた告知は必要不可欠であり、せっかく開くのであれば多くの来場者を集めるための最善策に意識を向けてもらいたい。(大野英治)