2021.8.31密室の協議で理解は得られぬ
市補助金等検討委員会は18日、協議でまとめた提言書を白川市長に手渡した。今年度当初予算に示された補助金などの精査と見直しを市に対して提言するため、3回にわたり会を開いた。委員会を組織し要望したのは市だ。
しかし、この委員会のあり方に苦言を呈したい。突如、3月議会の当初予算に挙がった補助金の削減や廃止などは、市民生活に支障が起こることから大きな衝撃が走った。高齢者が恩恵を受けるはずだった入湯券やはりきゅうあんま施術券の予算は減らされ、市民団体が島の活性と島の元気を生み出すはずだった予算も減額廃止された。補助金削減の内容をすべて挙げるには、とてもこの紙面では枠が足りないほどある。
市議会3月会議で白川市長は「市は財源不足にある。市民にも痛みを伴う行財政改革をせねばならない」と発し、今年度の当初予算案は補助金削減のオンパレードとなった。予算案を見た市議会も、市と市長に対して事態の説明を求めたが、結果的に議員も承認し可決で終えた。
この突然降って湧いたような補助金をはじめとした予算削減は、市民の不満を生み、市長の行政責任を問うことを目的のひとつとした市民団体が発足した。以降、「財政不足になった原因は、私の勉強不足だった」など、市長の財政に関する発言に落胆した市民団体は、市長のリコール署名運動を展開するに至った。
この一連の流れを見て分かるはずだ。突然の補助金削減に市民の怒りは頂点に達し、市長リコール運動に発展するなど市政の基盤を揺るがす事態になったではないか。
このことを前提に言わせてもらう。「市民生活に直結する補助金のあり方を話し合う委員会でありながら、なぜ経過を市民に公開しないのか」。委員会開会日、検討内容の途中経過、意見内容など一切口外されていない。記者やマスコミも立ち会えない。このようなことで、市の将来や市民生活を守ることはできるのか。正しい民意はくみ取れるのか。異例だが、これらの理由により、紙面を割き、全ての審査結果を掲載した。
もういい加減、密室の話し合いは止め、市民に分かるようにすべてを公開すべきではないか。今回の委員会のみがだめだと言っているのではない。市政の全体的な体質を問うているのだ。