2021.3.23ずさんな財政運営にあ然
市議会3月会議の予算特別委員会を傍聴し、予算編成のずさんさに呆れた。このような状況にある本市に身を置き、事業を営んでいる自分自身のこれからの生活にさえ不安を感じさせるものだった。
白川市長は市議会2月会議で突然、「本市は財源が不足している」と発言し、これを受けて3月会議では市民が関わる補助金やサービスの予算が削減された。市の財政がひっ迫に向かっていたことは、これまでにも紙面で書いてきたことであり、分かっていた。しかし、市長をはじめ市の職員は行政のプロであり、不安はありながらも市民に影響がない方法で乗り越えてくれるだろうと一縷の望みをかけていたのだが、現実はそう甘いものではなかった。
小金丸議員は、市民生活とはかけ離れた事業として、SDGs事業を例に意見した。音嶋正吾議員は一般質問で、「SDGsで市民が飯を食っているわけではない。それで市民が生活できるのか」と意見し、他にも優先すべき施策があると指摘した。また、小金丸議員はオリンピック聖火リレーの予算編成に異を唱え「予算編成がガタガタなのではないか。まじめに考えているのか」と怒りを込めて指摘した。全く同意だ。市民は財源不足による補助金カットなどで痛みを受けている。しかし、市側のこのずさんさは何なのか。市民が耐えるに値するものなのか。
町田議員は、財源不足についての理由を求めた。「この時期になって、なぜ今回のような補助金を削るなどドタバタが起きたのか。市民の立場から言えば、行政がやる会計の独立とか関係ない。要するに負担が増える、補助金が削られるという負担にしかない。なぜ行政内で意思の疎通ができなかったのか。部長など幹部職員であればわかっていたはずだ。早急な体制ができなかったのはなぜか」と問うた。
白川市長は「中期財政計画の中身について、私の勉強不足であった」と答えた。同計画とは、毎年11月に公表し、5年先までの市の財政を見通す重要なものだ。舵取りの長が勉強不足となれば、いったい誰にどういうふうに舵取りを任せればいいと言うのか。
同計画では、財政指標で早期健全化基準や実質交際費比率、将来負担比率などがある。実質公債比率が25㌫になれば危ないといわれ、本市の令和元年度は6・4㌫、将来負担比率は350㌫の危機に対して38・3㌫。このような指標を見て白川市長は「まだ大丈夫だと錯覚というか判断をした。しかし、予算編成で24億円の基金を取り崩さねば予算が組めないとわかり『なに?』となった。現実には18億円を取り崩し、市議会議長、副議長、議運委員長、両常任委員長へ『大変なことになった』と伝えた」と言う。
さらに「指標を信用したのは浅はかだった」と信じられない理由を述べた。町田議員は「白川市長の任期はあと3年だ。その時に現市長から新市長変わる場合、政策経費が全くないとなれば、前市長が悪かったとなる」と指摘している。
どうあれ本市は財源不足の中にいる。財政運営がこのような調子ならば、市民に痛みを強いることでしか乗り切ることはできないのか。