2021.10.06あいまいな対応は議会軽視となる
今回の決算特別委員会でイルカパークの運営と決算について白熱した議論が展開された。市議会では、ことあるごとに同施設が議題に上がる。
森俊介議員は「決算では、イルカパーク運営費と自主事業が混在し、経営状況が把握できない。詳細な決算の提出を求む」と市に要求した。しかし、企画振興部長は「株主総会で決算の承認を受けている。自主事業分は公開しない。情報公開請求があるものだけ、公開責任に応じて提出する」と回答した。
音嶋正吾議員は「議員は市民の代表だ。その議員が確認のために決算書を知りたいと言うのに、情報公開請求をせねば見せないとはどういうことだ。市は25㌫の株を有しているではないか」と詰め寄った。白川博一市長は「25㌫の株主の権利の範囲が分からない。閲覧はできても、私自身が書き写すわけにもいかない」と答弁した。
同施設の株主は、施設指定管理者の高田佳岳社長が75㌫(75万円)、壱岐市が25㌫(25万円)で資本金は100万円。市は株式の権利を3㌫以上保有していることから、株主の権利として、会計帳簿閲覧謄写請求権を持つ。このことは、市長と市職員のあいまいさとともに、同施設経営に対する無関心を示す。あるいは、何らかの理由で意図的に決算書を提出したくないのか。
昨年12月議会で、町田正一元議員は一般質問で「同施設は固定費が多い。令和4年度以降から国費の5400万円がなくなり自走できるのか。自走運営ができない場合、職員の雇用や市の負担はどうなるのか」など、企画振興部長と市長に懸念を示した。
企画振興部長は「施設がなくなることはない。自走できるように経営状況を把握する」と答えた。町田元議員は、「当たり前だ。これまで市は多額の設備投資をした。後年、このことで市の財政負担が増大するのではないかと危惧する。市は自主事業の収入をあてにしての運営維持が前提か」と批判した。
決算特別委員会で企画振興部長は「自主事業なので」とし、不明確な答弁を繰り返し、議員でさえも情報公開請求の上でしか提出しない旨を述べた。企画振興部長が言う「経営状況を把握する」とは何だったのか。
市の対応は議会軽視になっているのではないか。