2025.9.15水道料の未納回収と措置に苦慮

令和6年度水道料金の未納分対応について状況を質疑

 

 市議会定例会9月会議の9日、議案審議の場で、上下水道の料金未納分などの現況と対応などについて質疑があった。未納分に関して、当紙4月11日発行号で「支払った人と未払いの人との不平等を生んでいる」とし問題視した。現状の未納料金などを質問した山口欽秀議員は「生活困窮世帯への減免などの施策が足りない」と指摘した。また、水道管の老朽化などによる上水道の漏水の実態もわかった。

 

 上水道は、市民の生活において重要なインフラであり、水道提供の差し止めは生命に関わることから、料金未納者がいても即時には止められない。しかし、このため納入者と未納者との不平等を生む事態になっている。

 市の説明によれば、上水道の料金通知未納件数は、令和6年度で3447件、未納額は滞納繰越金も含め8356万3094円。令和5年度は3776件の8790万1384円。うち、給水停止件数は令和6年度で21件、令和5年度は5件だった。

 未納の理由について、上下水道所管の市建設課は「ほとんどは経済的理由によるものと考えている」という。「電話や訪問による勧告で収納率向上に勤めている。しかし、納付の約束があったものの納付がない場合は止むを得ず給水停止に至る場合もある」と付け加えた。

 多額の未納がある状況に対し、山口議員は「生活困窮世帯への減免措置はできないか」と問うが、市建設課は「減免措置はないが、生活保護世帯に限り、開栓閉栓手数料の免除を行っている」と対応を説明した。

 答弁を受け、山口議員は「実態として、支払いたくても支払えない滞納者は多くいると思う。経済的に困窮している場合の、給水停止に至る前の配慮はできないものか。生活困窮者に対する一定の基準を設けた減免は必要。市としても考えるべき対応だ」と意見した。

 市建設課は「分納などの柔軟な対応は行なっているが、それでも納付がなく、その後の連絡がつかない場合もあり、止むを得ず給水停止に至ることがある。理解を願いたい」と答えた。

約30㌫の上水道水が漏水、無駄をなくす対応を

 上水道の漏水の状況は、令和4年度は65・12㌫、令和5年度は70・88㌫、令和6年度は67・64㌫の有収率で、約30㌫の漏水が起きている。市建設課は「漏水対策を重要な課題と認識している。平成24年度から専門業者による漏水調査業務委託を行い、年間を通して漏水調査でわかった漏水箇所は即時修理を行っている」とし、老朽化した水道管は「市内各所に散在する。漏水多発路線も考慮しながら 限られた予算の範囲で管路の更新工事を行い、有収率の向上に努めている」と説明した。

 山口議員は「30㌫もの水が無駄に流れている。いかに無駄をなくし上水道水を確保するかが課題」と指摘した。

 下水道の未納は、令和6年度で304件、未納額は217万2830円。漁業集落排水は202件、未納額は146万6650円だった。