2023.4.04当初予算可決、過去2番目の規模
令和5年度当初予算と3月補正予算、賛成多数で可決
市議会3月定例会最終日の22日、令和5年度一般会計の総額241億9千万円を賛成多数で可決し、新年度予算が成立した。昨年度当初予算額の223億9千万円から18億円の増額となり、過去2番目(過去最高の予算規模は平成30年度)の規模となった。令和4年度3月補正予算は、2億710万円の減額を賛成多数で可決した。補正予算で市は、認定こども園の建設整備事業費1億7265万8千円が来年度予算へ繰り越し案として上程したが、今月6日に事業者による事業撤退の意向を受け、予算の採決に影響した。
当初予算では、重点事業として、第3次市総合計画の基本目標のひとつに挙げられる「結婚・出産・子育て・教育の希望がかなうまちづくり」の実現のため、支援の充実を図る取り組みなどが盛り込まれ、少子化対策や人口減少への歯止めに対する意気込みが示された。
関連する具体的な新規事業は、出産祝金として第2子に支給する現3万円を10万円、第3子以降への現10万円を20万円に増額。保育園に関しては、第2子以降の保育料を無償化、保育料副食費の現4500円を2千円にするなど子育て世帯への負担を軽減する。幼稚園に関しては、幼児1人につき、預かり保育料の月額現1万円を無料にするなど、無償化を図る。
学校給食費では、小学校の保護者負担額現4900円を2千円、中学校では現6千円を2500円にするなど。
補正予算、認定こども園の賛否で意見
3月補正予算の採決では、一部で議員の判断が分かれた。議長を除く議員14人の判断は、賛成10(森俊介、樋口伊久磨、中原正博、山川忠久、清水修、赤木貴尚、小金丸益明、中田恭一、市山繁、土谷勇二)、反対4(武原由里子、山口欽秀、植村圭司、音嶋正吾)。
補正予算採決に反対した山口欽秀議員は「事業者は住民への説明不足を顧みず、事業撤退を市民のせいにするのは不当だ。一方で市長、市は、民間事業であることを理由に市民の不安や疑問に応えなかった。今回の混乱の原因は市にもある」と意見した。
植村圭司議員は「自ら調査した内容などから、賛成はできない」との考えを示した。植村議員は予算特別委員会の15日、「繰越明許費の手続き上、建設地での工事着工の事実がないと予算繰り越しはできないと建築基準法にある。しかし、建設地は着工していない。市による同事業の着工報告書は、虚偽申請の可能性が高い」とし、「会計検査院が市の調べに入る可能性を回避したい」と考えを述べた。賛成の意見について他議員からの発言はなかった。