2025.12.09市長・副市長が給与一部減額

市職員による公金横領受け行政責任を明確化

 

 市の会計年度任用職員が約40万円の公金を私的流用し、先月27日に懲戒免職処分を受けた問題を受け、篠原一生市長は2日の定例記者会見で謝罪し、行政責任を示すため自らの給与の一部を減額する方針を明らかにした。「市職員による許されない不正行為で、市民に多大な迷惑をかけた」と述べ、深く陳謝した。

 

 減額内容は、市長と副市長の来月1か月間の給与を、それぞれ10分の1減額するというもの。これにより、篠原市長は月額82万円が73万8千円(8万2千円減)、副市長は65万6千円が59万400円(6万5600円減)となる。市は、組織全体で責任を共有する姿勢を示している。

 会見では、横領の発覚経緯について質問が上がった。市の説明では「市民が、納税したにもかかわらず督促状が届いた」と連絡したことが端緒だった。日々の集計や二重チェック、上司による確認などで事前に気付けなかったのかとの問いに、篠原市長は「確認作業は実施していたが、悪意をもって領収書が改ざんされており、担当課内では見抜けなかった」と述べた。

 さらに記者団からは「2年前にも公金着服事案があった。市役所内の体制が不正を招きやすい状況にあるのではないか」と指摘があった。これに対し篠原市長は「チェック体制の強化とともに、職員倫理の問題もある。研修などを行っているが、今回の事案を受け、公金取り扱いの見直しが必要だ」とし、対策として現金を扱わないキャッシュレス化の導入を検討する考えを示した。今後は再発防止策の具体化も求められる。